研究概要 |
1.VGluT1, VGluT2を指標にした大脳皮質および視床由来の線条体グルタミン酸終末の同定 大脳基底核は線条体・淡蒼球・視床下核・黒質など大脳皮質下諸核の連合体で大脳皮質および視床からグルタミン酸をトランスミッターとする興奮性入力を受けている.我々は、グルタミン酸神経終末のシナプス小胞性トランスポーターであるVGluT1とVGluT2の抗体をモルモットとウサギとで作製・精製し、この両者が大脳皮質において大脳皮質由来および視床由来ののグルタミン酸終末とで使い分けられていることを論文発表し(Fujiyama et al., J. Comp. Neurol., 2001)、これはトレーサー実験でも証明した。光顕的に観察すると、線条体はVGluT1, VGluT2ともに免疫陽性終末が見られた。さらに2重免疫電顕を行うと、大脳皮質由来の神経終末の70%近くはmedium spiny neuronのspine headに、視床由来の神経終末は60%がdendritc shaftにシナプスしていること、視床由来の神経終末は皮質由来のものより大型であることが観察された。 2.VGluT1, VGluT2を指標にした線条体における大脳皮質および視床由来のグルタミン酸入力とグルタミン酸レセプターとの関係 グルタミン酸レセプターのサブユニットコンフォメーションに対してpresynaptic terminalの違いがどのような影響を与えうるのかを、同じグルタミン酸入力であるVGluT1, VGluT2とグルタミン酸レセプターとの2重免疫電顕にて調べた。イオンチャンネル型グルタミン酸レセプターであるNMDA1, GluR1, GluR2/3はいずれもVGluT1, VGluT2両者とシナプス形成が認められたが、VGluT2陽性シナプスにおいて希に出はあるがpresynaptic siteに存在するGluR2/3が見られた(Fig.1)。代謝型グルタミン酸レセプターであるmGluR7では、VGluT1陽性シナプスで陽性、VGluT2陽性シナプスで陰性、と違いが認められた。
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