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2003 年度 実績報告書

脳発達臨界期における修飾物質と環境による回路形成および行動の制御

研究課題

研究課題/領域番号 14580733
研究機関獨協医科大学

研究代表者

上田 秀一  獨協医科大学, 医学部, 教授 (60150570)

研究分担者 鯉淵 典之  群馬大学, 医学部, 教授 (80234681)
野田 隆洋  獨協医科大学, 医学部, 助手 (90364596)
榊原 伸一  獨協医科大学, 医学部, 助教授 (70337369)
キーワードセロトニン / 攻撃性 / ラット / 同種攻撃 / キレる子供
研究概要

脳の臨界期すなわちさかんにシナプスが形成され、脳の配線が形成される時期に一致して、一過性に脳内アミン、特にセロトニンが増加する。この一過性に増加するセロトニンがその後の環境因子による刺激に対応しうる"柔らかい脳を造る"カギ分子であることを仮説として研究を進めている。
本年度は、セロトニンと攻撃性の問題を取り上げて研究した。これまでわれわれは、ラット発達期のセロトニンの低下がマウスを攻撃するムリサイドを引き起こすことを明らかにしている。異種動物への攻撃は、捕食攻撃の1つとされているが、本年度は同種攻撃の起こる脳内メカニズムについて検討した。前脳へ投射するセロトニンニューロンと上行性カテコールアミン神経路を破壊したラットにドーパミン作動薬を投与すると、通常では観察されない異常な同種攻撃行動が観察された。実験対照として、何も手術をしないラット(C1)、セロトニンニューロンのみを破壊したラット(C2)、カテコールアミン神経路を破壊したラット(C3)、C1、C2、C3のそれぞれにドーパミン作動薬を投与したラット、C2およびC3の両方の破壊を行ったラット、およびまったく何もしないラットを用いた。これら実験対照ラットのいずれのグループにおいても異常な同種攻撃行動は観察されなかった。さらに異常攻撃行動が観察されたラットでは、挨拶行動などの社会的行動を示す時間が実験対照群にくらべ有意に短かかった。この事は、"キレる子供"を研究する上での1つの手がかりとなると考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Okuda K, Takanishi T, Yoshimoto K, Ueda S: "Trazodone hydrochloride attenuates thermalhyperalgesia in a chronic constriction injury rat model."Eur J Anaesthesiol. 20. 409-415 (2003)

  • [文献書誌] Susuki K, Nishimoto Y, Yamada M, Baba M, Ueda S, Hirata K, Yuki N: "Acute motor axonal neuropathy rabbit model : immune attack on nerve root axones."Ann Neurol. 54. 383-388 (2003)

  • [文献書誌] Ishizuya-Oka A, Shimizu K, Sakakibara S, Okano H, Ueda S: "Thyroid bormone-upregulated expression of Musashi- 1 is specific for progenitor cells of the adult epithelium during amphibian gastrointestinal remodeling."J Cell Sci. 116. 3157-3164 (2003)

  • [文献書誌] Ueda S, Sakakibara S: "Role of serotonin in aggressive behavior."J Brain Sci. 29. 16-19 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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