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2002 年度 実績報告書

筋萎縮性側索硬化症:前角細胞リボゾームRNA遺伝子転写活性の減少と細胞変性

研究課題

研究課題/領域番号 14580735
研究機関(財)東京都医学研究機構

研究代表者

小柳 清光  財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (00134958)

研究分担者 三澤 日出巳  財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (80219617)
渡部 和彦  財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (30240477)
神田 尚俊  東京農工大学, 農学部, 教授 (40075429)
キーワード筋萎縮性側索硬化症 / ALS / 脊髄 / 前角細胞 / リボゾーム / RNA / 転写活性 / 蛋白合成
研究概要

弧発型筋萎縮性側索硬化症(ALS)の脊髄前角細胞における最早期変化と考えられる、リボゾーム(r)RNA遺伝子の転写活性減少の病的機序を解明する目的で以下の検討を行った。
(1)rRNA遺伝子転写活性と前角細胞リボゾーム量との相関:病変早期と考えられる、クロマトリーシスを示す前角細胞から、病変末期の、消失する寸前と考えられる萎縮し濃染した前角細胞までを検討した結果、rRNA遺伝子転写活性とリボゾーム量には相関する傾向を認めた。すなわちALS前角細胞では、病変早期から末期までrRNA遺伝子転写活性が減少しており、これが前角細胞変性の「引き金」となっている可能性がある。これと関連して、ALS前角細胞のリボゾームと粗面小胞体(rER)を電顕観察し、クロマトリーシスを示す前角細胞のrERは、小胞体cisternの幅に変化無かったが、断片化していた。一方萎縮前角細胞にはrERの断片化は見られなかったが、cistemの幅が不規則に狭小・膨大しており、小胞体の単位長さあたりのリボゾームの数が減少していた(ribosomal detachment)。すなわちALS前角細胞は、変性初期と末期ではrERに異なる性質の変性が起こり、それぞれrERレベルでの蛋白合成障害が起きている可能性が考えられた。
(2)rRNA遺伝子と転写活性部位との対照:ラット前角細胞を用いてAgNOR染色とFISH (Fluorescent in situ hybridization)を連続切片で検索し、それらの局在が一致する事を確認した。
(3)rRNA遺伝子の転写に直接関与する因子の検索:基本転写因子群(TFIIA, TFIIB)、TATA box binding-protein、RNA polymerase I、CRE-binding Proteinなどの因子を検索中である。
(4)ヒトrRNA遺伝子転写活性部位は脊髄性筋萎縮症で報告されたGEMであるが?:現在AgNOR染色とsurvival motor neuron proteinとの二重染色を解析中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Toyoshima Y., et al.: "Pathological involvement of the motor neuron system and hippocampal formation in motor neuron disease-inclusion dementia"Acta Neuropathologica. (印刷中). (2003)

  • [文献書誌] Sakarnoto T., et al.: "Adenoviral gene transfer of GDNF, BDNF arid TGFβ2, but not CNTF, cardiotrophin-1 or IGF1, protects injured adult motoneurons after facial nerve avulsion"Journal for Neuroscience Research. (印刷中). (2003)

  • [文献書誌] Piao Y.-S., et al.: "Neuropathology with clinical correlation of sporadic amyotrophic lateral sclerosis : 102 autopsy cases examined between 1962-2000"Brain Pathology. 12(1). 10-22 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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