研究課題/領域番号 |
14580744
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
山田 康枝 山口大学, 医学部, 助手 (00166737)
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研究分担者 |
高 知愛 山口大学, 医学部, 助手 (70314797)
木村 佳弘 山口大学, 医学部, 講師 (90301308)
乾 誠 山口大学, 医学部, 教授 (70223237)
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キーワード | NMDA受容体 / PSD-95 / MALS-2 / Xenopus oocytes / PKC / src / PDZ domain / 燐酸化 |
研究概要 |
NMDA受容体チャンネルが細胞膜骨格蛋白質との直接の相互作用によりどのような活性制御を受けるかを解明するために、アフリカツメガエル卵母細胞発現系を用いて検討を行い以下の結果を得た。 1)NMDA受容体の4つのサブタイプであるNR1/NR2A、NR1/NR2B、NR1/NR2C及びNR1/NR2D NMDA受容体とPSD-95を共発現させ、受容体チャンネル活性を電気生理学的に解析した。PSD-95が共存すると、NR1/NR2A、NR1/NR2B、及びNR1/NR2Dの活性が増強した。このことはPSD-95がこれらの受容体の細胞膜における安定化に寄与している結果と考えられる。 2)PSD-95の共発現によりNR1/NR2A及びNR1/NR2BではPKCによる活性化を抑制するが、NR1/NR2C及びNR1/NR2Dによる活性化は見られず、PSD-95が共存しても変化はみられなかった。 3)PSD-95の共発現によりNR1/NR2Aは、srcキナーゼによる燐酸化によりチャンネル活性が増強は抑制され、NR1/NR2B、NR1/NR2C及びNR1/NR2Dはsrcキナーゼによるチロシン燐酸化により影響を受けず、PSD-95が共存しても変化はみられなかった。 4)PSD-95以外のPDZドメインを持つ細胞膜骨格蛋白質であるMALS-2のNMDA受容体への効果を検討した結果、MALS-2はNR1/NR2Bの活性を増強し、グルタミン酸に対する感受性を低下させたが、NR1/NR2Aには影響を与えなかった。 以上の結果はPSD-95がNMDA受容体サブタイプにより異なった様式でチャンネル活性を制御していることを示す。PSD-95の作用のメカニズムを解析するために種々の変異体を作成して検討する予定である。
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