研究課題/領域番号 |
14580749
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
馬場 広子 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (40271499)
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研究分担者 |
山口 宜秀 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (50311832)
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キーワード | 電位依存性ナトリウムチャネル / 電位依存性カリウムチャネル / ランビエ絞輪 / ミエリン / 有髄神経 / サルファチド / オリゴデンドロサイト / シュワン細胞 |
研究概要 |
有髄神経における電位依存性チャネルの特徴的な局在化の分子機構を明らかにする目的で、本年度は以下の2つの点を明らかにした。1.パラノーダルジャンクション形成に関与するミエリンタンパクCD9およびCD81の複合体と他の分子(NF155、スルファチド)との関連。成体の脳および座骨神経ホモジネート(1%Brij96を含む)を用いた免疫沈降の結果、CD9とCD81は複合体として存在することがわかった。また、CD9で免疫沈降されたCD81と比較してCD81で免疫沈降されたCD9の蛋白量が顕著に多かったことより、CD9/CD81蛋白複合体中における両分子の割合は異なることが示唆された。この複合体中には、ジャンクション形成に関わる他のダリア側分子であるNF155は含まれなかった。また、CSTKOマウスの中枢神経系1%Brij96ホモジネートを用いた免疫沈降の結果、CD9とCD81は正常マウスと同様相補的に共沈したことより、CD9/CD81複合体形成にはスルファチドは関与していないことが示唆された。2.パラノーダルジャンクション形成不全におけるナトリウムチャネルサブユニット変換および局在化の変化。ナトリウムチャネルの局在化およびそのサブユニットの発現に対するミエリンの役割を明らかにするために、パラノード形成不全を示すCSTKOマウスの視神経におけるナトリウムチャネルを調べた。結果、発達段階におけるNav1.2からNav1.6へのサブユニット変換は正常におこるが、その後CSTKOでは生後13週以降になると再びNav1.6からNav1.2への変換を生じ、それに伴って絞輪部の集積が消失し、局在が軸索表面全体へと変化することがわかった。末梢神経ではこのようなCSTKOでの変化は見られなかった。
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