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2002 年度 実績報告書

神経Ca^<2+>チャンネルの生理機能と調節機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14580758
研究機関(財)東京都医学研究機構

研究代表者

額田 敏秀  財団法人東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 副参事研究員 (80189349)

キーワード蛋白リン酸化酵素A / P / Q型Ca^<2+>チャンネル / α1Aサブユニット / α1Bサブユニット / キメラチャンネル / パッチクランプ法 / H89 / Rp-cAMPS
研究概要

心臓のL型Ca^<2+>チャンネルの蛋白リン酸化酵素A(PKA)による活性増強はよく知られた現象である。しかし、神経性Ca^<2+>チャンネルであるP/Q型やN型チャンネルが、PKAによりどのような調節を受けるのか、その分子機構には不明な点が多い。この問題を解決するため、α1A(Ca_v2.1)およびα1B(Cav_2.2)Ca^<2+>チャンネルをアフリカツメガエル卵母細胞およびベビーハムスター腎(BHK)細胞に機能的に発現させた。PKAの特異的阻害剤(H89、Rp-cAMPS)により、α1A(P/Q型)チャンネル活性の減少が見られた。このPKA特異的阻害剤の効果は、蛋白脱リン酸化酵素阻害剤(オカダ酸、calyculin A、cyclosporin A)の前処理で抑制された。一方、PKAの触媒サブユニッ卜の細胞内微量注入により、P/Q型チャンネル活性の増強が見られた。パッチクランプ法(cell-attached)でα1Aチャンネル電流を観察したところ、PKAの特異的阻害剤は単一コンダクタンスを変えることなく、有意に単一電流を減少させることが分かった。また、PKA特異的阻害剤の抑制効果は、チャンネルα2/δサブユニットの共発現ではなく、βサブユニットの共発現で増強された。以上のことから、P/Q型チャンネルの一部は静止状態でPKAにより活性化されており、そのチャンネル活性は、リン酸化の程度と脱リン酸化の程度のバランスにより決まることが示唆された。一方α1B(N型)チャンネルに対しては、たとえチャンネルβサブユニットを共発現させても、PKA阻害剤は大きな効果を示さなかった。さらに、P/Q型とN型とのキメラチャンネルや、P/Q型のC末削除変異チャンネルを用いて、P/Q型チャンネルのC末が、PKAによるチャンネル活性調節に必須であることを確認した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 山本敏文: "シグマー1受容体と細胞内機能"横浜市立大学論叢自然科学系列. 53・3. 103-117 (2002)

  • [文献書誌] 額田 敏秀: "Gタンパク質共役受容体を介するイオンチャンネルの直接的制御"遺伝子医学. 7(印刷中). (2003)

  • [文献書誌] Yamamoto, H., et al.: "Site-directed mutagenesis. In Sigma Receptors: Chemistry, Cell Biology, and Clinical Implications (ed., Matsumoto, R., Bowen, W., and Su, T.-P.)"Kluwer Academic Publishers(in press). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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