カルシウム-カルモデゥリンキナーゼII(以下CaMK IIと省略)はシナプス伝達効率をカルシウムイオン依存性に変化させるのに重要な役割を果たしている。この分子の後シナプスにおける基質、結合タンパク質を網羅的に検索するために、酵母2ハイブリッド実験系を用いた。まず後シナプス膜におけるCaMK IIのアンカーとなるとされるNMDA受容体2Bサブユニットの細胞内ドメインと自己リン酸されて活性化型キナーゼを模倣する変異型であるCaMK II T286Dを同時発現させたベートを酵母に発現させた。ごこにマウス大脳cDNAライブラリーを共発現させて結合するタンパク質のスクリーニングを行った。このうち現在までに受容体やCaMK IIとの結合が報告されてない2つの分子を見いだした。これらの分子はNMDA受容体サブユニットにCaMK II T286Dの同時発現依存性に結合する。これらは既に配列が報告されて分子の機能は報告されているものであった。現在これらの分子とCaMK II、NMDA受容体、との結合様式、細胞内分布の検討、受容体、キナーゼ活性に対する作用などの検討を行っている。
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