研究課題/領域番号 |
14580767
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
柿田 明美 新潟大学, 脳研究所, 助教授 (80281012)
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研究分担者 |
山田 光則 新潟大学, 脳研究所, 助教授 (30240039)
高橋 均 新潟大学, 脳研究所, 教授 (90206839)
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キーワード | グリア芽細胞 / 神経芽細胞 / 分化決定 / レトロウィルス / 蛍光分子 / 移動動態 / 脳内未分化細胞 / subventricular zone |
研究概要 |
中枢神経系における神経芽細胞・グリア芽細胞の分化決定と移動メカニズムを知る目的から、脳室下層(subventricular zone : SVZ)内未分化細胞を識別可能な蛍光分子で標識し、それら細胞を生きたまま直接観察する研究を実行中である。本年度末までに、以下の研究を行った。 1.シアン色および黄色蛍光分子のcDNAを導入したレトロウィルスベクターの作製。 pECFP-MemおよびpEYFP-Memベクターから、それぞれシアン色・黄色蛍光をコードするcDNAフラグメントを切り出し、レトロウィルスベクター(pDON-Al)に組み込んだ。これらを用い細胞工学的に操作を加え、高力価感染能を有し、かつ分裂・増殖能は欠くレトロウィルスパーティクルを作製した。 2.赤色蛍光分子のcDNAを導入したアデノウィルスベクターの作製。 pDsRedを組み込んだアデノウィルスベクターを作製し、十分な蛍光強度と広域感染能を有するウィルスパーティクルを作製した。 3.生きた細胞を長時間観察するシステムの構築。 各種蛍光分子を導入された未分化細胞を生きたまま形態観察を行い得るシステムを構築した。未分化細胞の初代培養とスライス培養を用い、Metamorph制御顕微鏡および共焦点レーザー顕微鏡をいずれも光源量を99%遮断しながらtime-lapse観察し得る条件を整えた。 4.SVZa, SVZdl細胞の標識。 anterior SVZおよびdorsolateral SVZ内に存在する未分化細胞を、in vivoで選択的に標識するためのstereotactic microinjection手術手技を確立した。また、同部位から切り出した細胞の初代培養法を検定した。 次年度は、以上の準備状況を発展させ、これら蛍光分子に標識された未分化細胞の移動と分化、環境因子との関連を明らかにする計画である。
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