研究課題/領域番号 |
14580774
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
並木 淳 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20189195)
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研究分担者 |
島崎 琢也 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00324749)
岡野 栄之 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60160694)
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キーワード | 神経幹細胞 / 神経再生 / 骨髄間質細胞 / nestin / GFP / セルソーター |
研究概要 |
神経幹細胞のマーカーとして知られる細胞骨格蛋白nestinは、神経幹細胞のほかにも血管内皮細胞などで発現がみられることから、神経幹細胞マーカーとしての特異性は低い。一方、nestin-EGFPトランスジェニックマウスは、神経幹細胞に選択的に発現を誘導するnestin遺伝子のセカンドイントロンエンハンサーの制御下で、蛍光物質のGFPを発現させるレポーター遺伝子が導入されている。したがって、この動物由来のnestin-EGFP陽性細胞は、神経幹細胞に選択性の高いnestin遺伝子が発現していることを示している。成体マウスから得た培養骨髄間質細胞(MSC)中に、nestin蛋白陽性細胞は約30%認めたが、神経幹細胞に選択的なnestin遺伝子の発現を示すnestin-EGFP陽性細胞は、セルソーターを用いた分離の結果、nestin-EGFPトランスジェニックマウス由来MSCの約0.5%であった。MSCはin vitroで活発な増殖能を持つことが知られているが、MSCを継代培養してもnestin-EGFP陽性のMSCは増殖能に乏しく、GFP陽性細胞を自己複製することはなかった。Nestin-EGFP陽性細胞をin vitroで増幅させるため、GFP陽性細胞数を指標として培養条件を検討した結果、Noggin、bFGF、およびIGF-1を培養液中に添加することにより、コントロールの3〜30倍にGFP陽性細胞数を増幅させることが可能であった。この培養条件にて増幅させたnestin-EGFP陽性MSCを、セルソーターにより生きた状態のまま分離・濃縮して、神経幹細胞の選択的培養法であるneurosphere法により培養した。Nestin-EGFP陽性MSCは、neurosphere類似の細胞凝集塊を形成したが、活発な増殖能は認められなかった。
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