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2002 年度 実績報告書

小脳核の微細機能単位と小脳核入力神経回路のコンパートメントに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14580785
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

杉原 泉  東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (60187656)

キーワード下オリーブ核 / 小脳 / ビオチン化デキストラン / 登上線維 / 片葉 / 小脳核 / ラット / 神経解剖学
研究概要

小脳の出力を担う小脳核の神経回路構築を明らかにするため、小脳入力線維の単一軸索側枝の小脳核投射パタンの解析から、小脳核の微細区画の解析を行った。これまでの研究により確立している方法に従い、順行性神経標識物質であるビオチン化デキストランをラットの下オリーブ核に、微量、局所注入し、延髄と小脳の連続切片を作り、標識物質発色のための組織反応を行い、単一軸索の投射を解析した。小脳皮質への投射先を同定したのち、その枝の投射する小脳核領域を解析した。今年度は、特に下オリーブ核から小脳の片葉へ投射する登上線維の側枝に注目した。下オリーブ核の中で、背帽部(DC)と腹側突出部(VLO)と内側副核(MAO)の最吻側部が片葉に投射することが分かった。DCの吻側と尾側、VLOの吻側と尾側、そしてMAOの最吻側部は、それぞれ片葉の異なるバンド状の領域に投射していた。それらの投射の軸索側枝の小脳核への投射パタンを調べると、その投射先は、歯状核の腹側部分と近接した小脳下核であり、小脳核全体のごく一部分に限局していた。さらに、DCは、腹側歯状核の吻外側部、吻側VLOは、腹側歯状核の吻内側部と小脳下核、尾側VLOは、腹側歯状核の中心内側部に投射するという部位局在パタンが認められた。これは、下オリーブ核ニューロンの軸索側枝投射パタンの分析により、小脳核の微細区画の存在を証明し、それらと下オリーブ核の微少区画に部位対応的結合があることを示した。さらに、小脳核・前庭核細胞には、プルキンエ細胞入力とそのプルキンエ細胞に投射する下オリーブ核の軸索側枝入力が統合しない場合もあることが明らかとなった。以上のように、本研究により、小脳核の微細機能単位の実体が明らかになってきた。また、小脳皮質を縦の縞模様(分子コンパートメント)に染める分子マーカー(アルドラーゼC)の抗体を作成が終了し、今後の実験に利用することができるようになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Sugihara, I.: "Projection patterns of single olivofloccular axons in the rat"Society for Neuroscience, 2002, Abstract CD-ROM. 2002. 64.1 (2002)

  • [文献書誌] Lohof, A.M.: "Functional climbing fiber reinnervation of Purkinje cells after unilateral pedunculotomy in neonatal rats"Society for Neuroscience, 2002, Abstract CD-ROM. 2002. 635.7 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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