研究課題/領域番号 |
14580794
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 国際医療福祉大学 (2005) 福岡大学 (2002-2004) |
研究代表者 |
藤城 直二 国際医療福祉大学, 保健学部, 助教授 (30173420)
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研究分担者 |
井上 真澄 産業医科大学, 医学部, 教授 (40223276)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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キーワード | GABA / クロマフィン細胞 / レセプターサブタイプ / GAD / VGAT / GAT / Caシグナル / パラクリン |
研究概要 |
GABAは種々の動物の副腎髄質細胞において膜電位を脱分極させ、カテコールアミン分泌を促進することが知られている。しかし、この分泌促進作用を持つGABAが副腎髄質細胞由来なのか、神経線維由来なのかは明らかでない。そこで、この問題を免疫学的方法とRT-PCR法を用いて検討した。イムノブロット法及び免疫組織化学法により、GABA合成酵素であるGADがラット副腎髄質に限局して存在することが明らかになった。さらに、小胞にGABAを取り込む輸送体であるVGATも副腎髄質に限局して存在した。GADとVGATのmRNAの副腎髄質における存在もRT-PCR法により確認された。Ca蛍光色素fluo4を負荷したラット副腎髄質の灌流標本において、30μM GABAを副腎静脈を介して逆行性に投与すると、GABAは神経刺激に応答するラット副腎髄質細胞の一部に細胞内Ca濃度上昇を引き起こした。神経刺激とGABA投与により誘発されるCaシグナルの最大値は、電気刺激単独で誘発されるものより大きくなることはなかった。さらに、GABA投与中の神経刺激により誘発されるCaシグナルの減少は、GABA単独で誘発されるCaシグナルの大きさが大きくなればなるほど著明になった。副腎髄質細胞のGABA受容体は、イムノブロット法またはRT-PCR法によりα1、α3、γ2とβ3により構成されていることが明らかになった。GABAを介する神経伝達の終了に関与するGATのmRNAは、副腎髄質には存在しなかった。以上の結果は、GABAはラット副腎髄質細胞においてパラクリンまたはオートクリンとしてカテコールアミン分泌に対して促進的に働いていることを示している。
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