研究課題/領域番号 |
14580799
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鶴山 竜昭 京都大学, 医学研究科, 助手 (00303842)
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研究分担者 |
山田 義博 京都大学, 医学研究科, 講師 (30252464)
日合 弘 京都大学, 医学研究科, 教授 (10073131)
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キーワード | レトロウィルス / リンパ腫 / STAT5A / プレB細胞 |
研究概要 |
ほぼ100%の頻度でプレBリンパ腫を発症する近交系SL/Khマウスを開発し、リンパ腫発症に関連する遺伝子の同定を試みた。SL/KhマウスのプレBリンパ腫のほぼ5%でウイルスゲノムはStat5a遺伝子の翻訳開始起点にマウス白血病レトロウイルス挿入しており、その結果高発現したStat5aでは、その転写活性が確認され、その標的遺伝子c-mycやanti-apoptotic遺伝子Bcl-xLの発現レベルが上昇していた。Stat5aの高発現のリンパ腫発症への関与について、さらに骨髄細胞への発現ベクター導入実験により検討した.骨髄細胞への導入後IL-7を含むmethyl cellurose培地中で形成されたコロニーの数、ならびにその構成細胞の表現型を検討した。Wild type Stat5a導入群では、一過性のプレB細胞コロニーの形成が少数誘導されたにとどまったが、active mutant 1-6^*Stat5a遺伝子導入群では、コロニーが多数形成された。また、導入後にはコロニー形成細胞のIL-7依存性が失われることが確認された。コロニー形成細胞の表現型はSvi1リンパ腫のそれと一致していた。Active mutantによる持続的なコロニー形成はSL/Khマウスの骨髄細胞に限られていた。このようにStat5aはSL/Khマウス系統依存的にプレB細胞の著明な増殖とIL-7非依存性を導くことが示された。(既発表Proc Natl Acad Sci USA. 2002 Jun 11;99(12):8253-8.)さらにウイルスの挿入部位の近傍において新しい遺伝子の同定(SVI2)をおこない、現在準備中である。さらにC-MYC, STAT5bにレトロウイルスが挿入されてリンパ腫発症に至ったものにおいてリンパ腫発症における関与を検討している。(投稿準備中)
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