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2002 年度 実績報告書

タンパク質系ヒドロゲルの細胞増殖基材への応用

研究課題

研究課題/領域番号 14580814
研究機関信州大学

研究代表者

奈倉 正宣  信州大学, 繊維学部, 教授 (70021178)

研究分担者 寺本 彰  信州大学, 繊維学部, 助手 (40227525)
大越 豊  信州大学, 繊維学部, 助教授 (40185236)
阿部 康次  信州大学, 繊維学部, 教授 (00126658)
後藤 康夫  信州大学, 繊維学部, 助手 (60262698)
キーワードタンパク質 / ヒドロゲル / 細胞増殖基材 / ポリビニルアルコール / セリシン / 混合
研究概要

本研究ではほとんどが廃棄されている絹タンパク質セリシンを医用材料、特に細胞増殖基材として用いる事の可否を検討することを目的としている。本年度は通常の方法で回収されるセリシンが非常に脆く、細胞増殖基材としては実用性が無いため、この改善策を中心にした二つの方法の検討を行なった。
一つには、セリシンを低重合度で低ケン化度のポリビニルアルコール(PVA)と混合・射出成型する事により充分に実用性のあるフイルムが成型できることを明らかにした。この理由はPVAが主に非晶部においてセリシンと相互作用を起こしているためであることを明らかにした。
二つには、通常のセリシン回収法で得られたセリシンが脆い原因は分子量のが低下が起こっているためであるとの予想から、高分子量のセリシン試料を得る方法を検討した。このためには沸騰水で煮沸することにより溶出してくる成分を用いることが重要であることを見出した。家蚕繭と新たに育種されたほとんどがセリシンからなるセリシン蚕を用いた高分子量セリシン試料を作成し、物性を検討した結果、両者とも低分子量セリシンより分解温度が上昇すること、また両者を比較するとセリシン蚕セリシンから得たセリシンの熱分解開始温度は繭から得たセリシンと比較して低く、この主要な原因は、前者が分解しやすいカルボン酸を含む側鎖を持つアミノ酸成分が多いためであることを明らかにした。また、高分子量セリシンの中で繭からのセリシンは乾燥状態で引っ張り試験を行う事ができ、セリシン特有の脆さを克服しており、非常に優れた力学的性質を持っていることが明らかとなった。一方、セリシン蚕セリシンより得たセリシンはヒドロゲルにおいてゴム弾性を示す強靭な物である事が明らかになった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] H.Miyake, H.Wakisaka, M.Nagura: "Structures and Physical Properties of Poly (vinyl alcohol)/Sericin Blended Plastic"J. Insect Biotechnology and Sericology. 71. 85-89 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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