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2002 年度 実績報告書

画像診断における異常領域の認知に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14580816
研究機関名古屋大学

研究代表者

池田 充  名古屋大学, 医学部附属病院, 助教授 (50184437)

研究分担者 山内 一信  名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90126912)
キーワード画像認知 / ROC解析 / 診断能分析 / 放射線診断一般 / 信号検出理論 / 医療判断学
研究概要

画像診断において、ある異常所見に着目した場合、それがどのような周囲の解剖構造との組合せの場合に診断医の検出率が上下するのであろうか。この問題を検討するために、信号検出能に関する基礎的な実験を行った。
4肢強制選択法と呼ばれている方法を用い、雑音の存在が信号の検出能に与える影響を読影実験により調べた。胸部単純X線写真上の平均的な結節を擬似的に与えるものを信号とし、各テスト画像ごとに異なるガウス白色ノイズ信号を背景として与えた。このような読影実験用の画像100個を一つの画像として画像観察用ワークステーシヨンのモニタ上に表示し、観察者に10種類の画像を観察してもらい、各テスト画像ごとに、4つの区画の中で最も信号が存在すると判定した区画を回答するか、それを全く判定できない場合は判定できないと回答してもらった。
読影実験結果から、各観測者が信号のある区画を正しく回答した割合(正解率)を計算して、その値を信号の検出能の指標とした。ここで、個々のテスト画像に関するjackknife擬似値を計算し、同擬似値を使用して、各テスト画像に関する信号検出の正解率の平均値と分散を求めた。
4肢強制選択法の正解率は、通常のROC曲線下面積とある強い仮定のもとで一定の関係があり、さらに、信号の強さが一定の場合ある強い仮定のもとで、ROC曲線下面積と雑音の分散の逆数は、比例関係にあることが知られている。これまでの実験結果において、正解率が0.95以上のものを除いたものについては、この法則がほぼ当てはまる結果となり、信号検出理論で予測される関係とほぼ一致する結果であった。我々のこれまでの読影実験からは、結節の検出能と異常所見の局囲の解剖学的構造の濃度分布に関する基礎的な統計量との間にはあまり関係がなく、信号検出理論における信号対雑音比が最も関係することが予想された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Shigeki Itoh et al.: "Lung :feasibility of a method for changing tube current during low-dose helical CT"Radiology. 244(3). 905-912 (2002)

  • [文献書誌] Ikeda Mitsuru et al.: "Statistical method in a comparative study in which the standard treatment is superior to others"Nagoya Journal of Medical Science. 65. 127-132 (2002)

  • [文献書誌] Ikeda Mitsuru et al.: "Influence of monitor luminance change on observer performance for detection of abnormalities depicted on chest radiograph"Investigative Radiology. 38. 57-63 (2002)

  • [文献書誌] 池田充, 他: "胸部単純X線画像における結節像の検出における解剖学的構造の影響"第22回医療情報学連合大会論文集. 608-609 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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