研究課題/領域番号 |
14580818
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
東 照正 大阪大学, 医学部, 助教授 (80116087)
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研究分担者 |
竹内 徹也 大阪大学, 低温センター, 助手 (90260629)
松浦 成昭 大阪大学, 医学部, 教授 (70190402)
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キーワード | ヒト脳腫瘍膠芽細胞 / 定常磁場 / 磁場配向 / 遊走 / 細胞接着 / 細胞浸潤 / 細胞増殖 / 反磁性 |
研究概要 |
細胞・組織工学の技術の発達で、医用・歯用材料の開発は飛躍的に進展した。また、生体の複雑な機能を担う生体機能材料や人工臓器が実用化されている。これらは、生体高分子・細胞と巧みに組み合わせると、さらに有用である。 我々は過去に、赤血球、血小板、精子、鞭毛、繊毛、フィブリンの磁場配向を捉え、細胞成分の寄与を解明した。それらの異方的反磁性帯磁率を実測し、その数値の妥当性を理論的に確かめた。この基盤研究では、磁場配向の力が細胞の挙動におよぼす効果を調べる。細胞の形態形成、接着、運動が磁場内外でどれくらい異なるかを測定する。細胞成分の異方的帯磁率を用いて、磁場配向が細胞機能に与える効果を定量的に見積もる。それを踏まえて、生体機能材料の開発に際しての、定常磁場の実用例を提示する。 4年間の研究戦略として、以下の観察を順次、行う。《接着》細胞外基質をコーティングしたシャーレを用いて、磁場内で培養後、接着した細胞を染色し、吸光度法で検討。《運動その1》化学的走化因子の濃度勾配による運動能を、Boyden chamber assayで測定。《運動その2》基底膜ゲル内での浸潤能を、Matrigel chemoinvasion assayで測定。 初年度は、上述の接着、運動その1、その2の実験用に磁場内細胞培養システムを組んだ。シャーレ設置スペース、恒温水循環部、ガス供給部をφ50×60mmにまとめて、円柱状の細胞培養器を作った。大阪大学低温センターの超電導マグネット(最大磁場強度:8テスラ、縦方向、実験スペース:φ60×80mm)に出し入れできるように、天井から吊るした。接着、運動1、2の予備実験を行い、順調に稼動することを確認した。温度条件を始め、システムの信頼性を確認し、次年度からの本実験の準備を行った。
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