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2003 年度 実績報告書

関節変性の病態把握と治療法評価のための力覚制御ロボットアームによる摩擦測定

研究課題

研究課題/領域番号 14580829
研究機関北里大学

研究代表者

馬渕 清資  北里大学, 医療衛生学部, 教授 (70118842)

キーワードバイオトライボロジ / 顎関節 / 摩擦 / 変形性関節症 / ロボテイクス
研究概要

顎関節の咬合状態の不良に起因する関節の摩擦の上昇が,顎関節症の発症に関与する可能性があることは,臨床観察から推定されていた.しかし,咬合状態が悪いとどの程度の摩擦が発生するのかを測定した報告はなかった.そこで,本年度の研究では,ブタ顎関節を対象とした摩擦測定実験を行った.摩擦測定システムを,アーム型ロボット,6軸力センサ,ドライブユニットおよびパーソナルコンピュータにより構築した.下顎骨をアーム型ロボットの先端に,下顎窩を6軸力センサに固定した.摩擦速度は0.5mm/sとした.垂直荷重は15Nとした.荷重を加えてから一定時間の後に,前進,後退運動を行い,その際の摩擦を測定した.3つの試料において5回測定し,その平均をとった.手探りで摩擦試験をした感覚と,関節間に感圧フィルムをはさみ20Nかけたときの圧力分布から咬合状態を調べ,基準位置とした.この地点から前進後退の直線滑り運動を加え摩擦係数を測定した.次に,基準位置から内外側方向に1mmずつ下顎骨を変位させて摩擦測定を繰り返し,感圧フィルムで測定した圧力分布との比較を行った.最も生理的に自然な咬合状態の時には,摩擦係数は,0.02-0.04であった.また,咬合面の接触応力分布は,比較的均一であった.その値が,下顎骨が内側または外側方向に数mm移動すると摩擦係数が増大し,0.1を越えた.この実験結果から,顎関節の摩擦面においては,咬合状態のわずかな変化で大きな潤滑機能の変化を発生することがわかった.また,高い接触応力部分が偏在することが,大きな摩擦を発生させることから,関節軟骨の潤滑における流体潤滑機構の占める役割の大きいことが示された.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 雨尾公暁, 三科博司, 酒井利奈, 吉野 洋, 野村寛之, 馬渕清資: "圧力分布の最適化を尺度とした人工股関節固定法の評価"日本臨床バイオメカニクス学会誌. 24巻. 293-297 (2003)

  • [文献書誌] 酒井利奈, 糸満盛憲, 高平尚伸, 内山勝文, 雨尾公暁, 馬測清資: "人工股関節における固定部接触面積に依存する応力分布のゆらぎ"日本人工関節学会誌. 33巻. 155-156 (2003)

  • [文献書誌] 酒井利奈, 雨尾公暁, 馬渕清資: "圧力分布の最適化を尺度とした人工股関節固定法の評価-広範囲接触と部分接触の比較-"日本人工関節学会誌. 33巻. 157-158 (2003)

  • [文献書誌] Sakai R., Mabuchi K.: "Digital simulation imaging the stress distribution in joint prostheses for the assessment of fixation methods"The Journal of the Institute of Image Electrics Engineers of Japan. 32巻・5号. 709-716 (2003)

  • [文献書誌] Mabuchi K, Ohta M, Sakai R, Ujihira M: "Appropriate radial clearance of ceramic-on-ceramic total hip prostheses to realize squeeze-film lubrication"Clinical Biomechanics. in press. (2004)

  • [文献書誌] 馬渕清資(分担), 他44名: "医療材料・医療機器の安全性と生体適合性"第2章医療機器の力学試験.5.接触圧力分布を指標とした人工関節固定法の評価. 258 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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