研究課題/領域番号 |
14580844
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研究機関 | (財)高輝度光科学研究センター |
研究代表者 |
梅谷 啓二 財団法人高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門II医学チーム, 主幹研究員 (50344396)
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研究分担者 |
杉村 和朗 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00136384)
八木 直人 財団法人高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門II医学チーム, 主席研究員 (80133940)
山崎 克人 財団法人高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門II医学チーム, 副主席研究員 (50210381)
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キーワード | 放射光 / 単色X線 / 微小血管造影 / X線サチコン / 冠状動脈 / 心疾患 |
研究概要 |
1.SPring-8の放射光を単色化した単色X線でのイメージングにおいて、既存の空間解像度10μmの画像撮影装置(1024×1024画素×10ビット、撮影速度30画像/秒)をもとに、検出器部分を改良して解像度8μmでのX線動態画像撮影を可能とした。具体的には、撮影視野サイズが従来は9.5mm角であったが、視野サイズ7mm角での撮影を可能とする改造で、画素サイズ7μmの画像が得られた。解像度評価チャートを撮影してX線画像の解像度を調べた結果では8μm幅のパターンまで画像化できており、目標の解像度8μmを達成できた。今回の改造の成功をもとにして、今後はさらに撮影視野を小さくしたモードでの撮影も可能とし、さらに高解像度化を進める。 2.X線動画像撮影制御装置を新たに製作し、既存の画像撮影装置と組み合わせて、X線画像検出器の動態画像撮影のタイミング信号と同期させたX線シャッターの駆動により、シャッター時間が5〜6ミリ秒でのパルスX線撮影が可能となった。通常は光学ミラーを装着してレーザー光の走査などに用いるガルバノメータースキャナをシャッター本体として使い、ミラーに替えてタンタル製のシャッターブレードを付けて、シーソーのような動きのチョッパーによるX線シャッターとした。撮影装置の基本構造が完成したため今後は、X線シャッターの改良(タンタル製のブレードの軽量化や動作タイミングの最適化)を進めて、目標である最短シャッター時間2〜3ミリ秒の達成を実現する。 3.開発した装置を用いて、正常ラットの摘出心を使いランゲンドルフ灌流下で、心拍動下に非イオン性ヨード造影剤を摘出心の大動脈起始部に注入して冠状動脈造影を施行した。そして、約50μm径の微小血管の動態での画像化に成功した。今後は、撮影装置の改良で、20〜30μmの血管の画像化を目指し、平行して病態モデルラットでの実験に進む。
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