研究概要 |
本年度は,来年度以降で行われる予定の本調査のための,予備調査段階であった。 日本における行為障害傾向チェックリストの開発を目的として,本年度は以下の研究を進めた。 DSM-IVおよび,教師用CBCL(TRF)などをもとに作成した教師によるチェックリストを開発することによって,該当生徒の選別を行えるようにすることが目的とされた。行為障害に関する新しい知見などを検討するために,行為障害に関する文献などを国内海外のデータベースを利用し収集し,行為障害に関する新しい知見を検索し検討した。 これらの測定器具は,米国で開発されたものであるので,日本の実情を反映していない点があった。そのため,現職教員の意見を採り入れながら,日本の現状にあった教師用チェックリストを開発してきた。 これらのチェックリストで顕著な得点を示した児童について,研究補助者を使って,学校現場での行動観察による,信頼性・妥当性などの検討も行っているところである。このため,デジタル・ビデオカメラを新たに購入した。この機材を使い,行動観察の対象として1学級の児童を中心に観察を行ってきた。 次年度以降の大規模な調査研究に先立ち,上記スクリーニング器具の妥当性を検討するためにも,このような行為障害傾向を持つ子どもへの介入プログラム作成の基礎研究として,感情制御に焦点を当て,予備実験的な検討を平行してすすめてきた。そのために,皮膚温プルーブ,および標準アンプなどの備品も本年度購入した。
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