研究概要 |
1.日本における行為障害傾向チェックリストの開発 この領域における研究の進展は著しいものがあり,最近の出版物を収集し文献的検討を進めている。 前年度,DSM-IVおよび,教師用CBC-L,教師用DBDなどを元に教師によるチェックリスト項目を選定し教室場面での観察を行って妥当性の高い項目を選別した。今年度は,米国で新しく出版されている調査項目を参考によりスクリーニング力の強いチェックリストを開発中である。今年度は,公立小学校3年生の担任教諭数名を対象に予備的チェックリストを実施しその信頼性と児童の行動観察により妥当性を確認した。 より大規模な調査は,調査項目の確定した次年度以降に予定している。 2.行為障害傾向児童への介入プログラム開発に関する予備検討 行為障害傾向の子どもが苦手である領域である感情制御に関して,バイオ・フィードバック装置のゲーム的な利用や,認知行動的視点からPrivate Speech(self-statement)などを利用したプログラムを作成することを検討した。 そのため,現有設備にはないバイオ・フィードバック用の装置,ソフトウェア,ピックアップなどを購入した。 行為障害傾向の高校中退男子に対して,バイオ・フィードバックを用いた予備的なプログラムの実施を行った。また,不安傾向を持つ不登校中学校3年生男子および,不登校小学校6年生女子各1名について,予備的なプログラムを実施した。
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