研究課題/領域番号 |
14593005
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物病理学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
古屋 成人 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (10211533)
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研究分担者 |
竹下 稔 九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (00304767)
高浪 洋一 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (50243944)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | 内生細菌 / ナス科植物青枯病 / 抗菌物質 / 生物的防除 / 環境微生物 / Pseudomonas / 植物細菌病菌 / ナス科植物 |
研究概要 |
各種植物の地際部および根組織より50菌株以上の内生細菌を分離・収集した。その結果、植物の種類により分離される菌株数並びに細菌種に差異があり、全く分離されない植物からナス科植物のように多数の内生細菌種が分離されるものまで存在した。このように内生細菌は植物種との間に特異的な関係が存在することが明らかとなった。さらに、分離した内生細菌の中から、各種重要植物細菌病菌に対して強い抗菌活性能を有する菌株を発見した。抗菌物質産生能の高い内生細菌の同定を試み、それら細菌種が蛍光性Pseudomonasであることを明らかにした。一方、世界的に甚大な被害を与えている難防除土壌伝染性細菌病であるナス科植物青枯病を内生細菌で生物的に防除するための基礎実験を行った。まず分離した内生細菌のナス科植物青枯病に対する生物的防除能について調べた。その結果、数種の内生細菌が顕著な発病抑制効果を示した。さらにこの発病抑制効果は死菌でも発現されることが判明した。このように内生細菌の示す生物的防除能効果発現には抗菌物質以外の要因が深く関与していることが明らかとなった。選抜した生物的防除活性能の高い菌株について細菌種の同定を行ったところ、それらはいずれも環境微生物のリスクアセスメントの観点から、その危険性が懸念される種であるため、実用化のためには、さらなる菌株の探索と選抜が必要であることが示された。そこで各種の病害に高度な抵抗性をしめす熱帯原産のナス科植物に焦点をあて、内生細菌の探索を試みた。その結果、環境微生物の安全性基準をクリアーし、ナス科植物青枯病に対して顕著な防除効果を示す菌株の分離に成功した。
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