研究課題/領域番号 |
14593006
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
塩見 和朗 北里大学, 薬学部, 助教授 (40235502)
|
研究分担者 |
増間 碌郎 北里大学, 生命科学研究所, 専任講師 (90219353)
高橋 洋子 北里大学, 生命科学研究所, 教授 (80197186)
|
キーワード | NADH-フマル酸還元酵素 / 電子伝達系 / 酵素阻害剤 / 生物活性物質 / スクリーニング / 精製 / 寄生虫 / 蠕虫 |
研究概要 |
宿主内において独特の嫌気的エネルギー代謝を行っているブタ回虫成虫のNADH-フマル酸還元酵素阻害剤をスクリーニングした結果、Paecilomyces sp. FKI-0550と同定された糸状菌より新規物質であるパシラミノールを単離した。さらにVerticillium sp. FKI-1083株と同定された糸状菌より新規物質のバーティシピロンも単離した。単離化合物についてブタ回虫のNADH-フマル酸還元酵素(複口体I+II)及びウシ心臓NADH酸化酵素(複合体I+III+IV)に対する50%酵素阻害濃度(IC_<50>)をそれぞれ調べたところ、パシラミノールでは5.1μM及び19.8μM、バーティシピロンでは4.1nM及び56.0nMと、いずれも回虫酵素をより強く阻害した。またいずれの化合物も、20μg/mlで自由生活線虫Caenorhabditis elegansの生育を阻止することができた。特にバーティシピロンは回虫酵素を数nMの濃度で阻害し選択性も10倍以上あることから、今後の抗寄生虫活性の検討に期待している。なお、前年度に単離したグリソプレニンA、デキュルシン及びデキュルシノールアンゲレートについては、現在抗寄生虫活性を評価しているところである。 また前年度に報告したナフレジン-γについては、その全合成を達成することができた。今後は確立した全合成ルートをもとに誘導体合成を行い、より強力な活性を示すものを探していきたい。
|