研究課題/領域番号 |
14594012
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
上野 勝代 京都府立大学, 人間環境学部, 教授 (90046508)
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研究分担者 |
佐々木 伸子 徳山工業高等専門学校, 助手 (90259937)
上掛 利博 京都府立大学, 福祉社会学部, 教授 (30194963)
宮嶋 邦明 京都府立大学, 福祉社会学部, 教授 (80046507)
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キーワード | ドメスティック・バイオレンス / シェルター / ステップハウス / 先進事例 / 北米 |
研究概要 |
本年度の研究として主要なことは、わが国におけるDV防止法施行後のシェルターの変化と実態について調査を実施したことである。具体的には、全国都道府県の婦人相談所47ヵ所を対象に一時保護施設についてアンケート調査を行った。回収率は85.1%であった。また妊娠した若い女性のためのシェルターについて公立民営の婦人保護施設にアンケート調査を行った。回収率は84.0%であった。 以上の調査の結果、以下のことがわかった。 (1)DV防止法施行後、個室数は若干ではあるが増えてきているが、依然として癒される空間にはなっていない。相談室はプライバシーが確保されるつくりとなってきている。しかし婦人保護施設においてはDV防止法施行後の変化はあまりみられない。 (2)同伴児がいる場合は母子一体の保護とし、母子共に生活できる環境の整備が必要である。そして、子どものための環境としてプレイルーム、保育室などを設けることも必要である。また保育士を導入することで被害者の早期回復が見込まれる。 (3)長期的、専門的な配慮が必要である妊娠した若い女性を受け入れる施設は皆無であった。 (4)保護されたDV被害者の女性が必要としていることは『自立支援』である。売春防止法に基づき設置された婦人相談所及び一時保護施設、婦人保護施設では十分な支援を行うことは難しい。設置基準の改善、またはDV防止法にシェルターの基準を定めることが望まれることがわかった。 これらの結果は、2004年秋に開かれる学会に報告したいと考えている。
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