研究課題/領域番号 |
14594013
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研究機関 | 帝塚山学院大学 |
研究代表者 |
吉川 康夫 帝塚山学院大学, 人間文化学部, 教授 (90200964)
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研究分担者 |
飯田 貴子 帝塚山学院大学, 人間文化学部, 教授 (60099554)
井谷 惠子 京都教育大学, 教育学部, 教授 (80291433)
太田 あや子 武蔵丘短期大学, 健康生活科, 助教授 (80258946)
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キーワード | スポーツ / セクシュアル・ハラスメント / 女子学生 |
研究概要 |
本研究はスポーツ内で生じるセクシュアル・ハラスメント問題の現状を解明するための最初のアプローチとして、女子大学生のスポーツ領域におけるセクシュアル・ハラスメント認識と経験を調査し、その特殊性を明らかにすることを目的とした。第一に、女子大学生について、セクシュアル・ハラスメントの経験および認識に関する全体的な状況を把握した。第二に、スポーツにおけるセクシュアル・ハラスメントについての経験や考えに関して女子大学生に対するグループインタビューを行った。第三に体育系の女子学生とそれ以外の女子学生のセクシュアル・ハラスメント経験をスポーツの場とスポーツ以外の場で比較し、両グループの経験および認識の差異を検討した。第四に、上記の調査結果を総合的に分析し、諸外国の調査事例との比較検討も含め、日本のスポーツにおけるセクシュアル・ハラスメントの特徴を女子学生の視点から考察した。 体育系女子学生がスポーツの場で経験するセクシュアル・ハラスメントと、体育系以外の女子学生がスポーツ以外の場で経験するセクシュアル・ハラスメントの違いに関して、前者は「身体的特徴を話題にする」「腕や肩にさわる」などの行為を、後者はこれら2項目に加え、「性的なことばや冗談」「性的経験について質問」「からだを眺め回す」などの行為を多く経験していた。両者の認識の違いに着目すると、設定した19項目の行為のうち、17項目について、体育系女子学生(スポーツの場)は体育系以外の女子学生(スポーツ以外の場)よりもセクシュアル・ハラスメントになりうる行為に対して許容的であることが明らかになった。とりわけ、前者が経験する身体接触的行為については、これをセクシュアル・ハラスメントと認識しない学生も多く存在し、指導ゆえに許容される身体接触行為のなかに、同時にセクシュアル・ハラスメントとなりうる契機が存在することもまた、確認された。
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