平成14年度に実施した2種類のアンケート調査について集計、分析をおこなった。 大学に対するアンケート調査(114大学、回収率51%)では、アカデミック・ハラスメントに関する相談があったのは20大学、紛争が起こった大学が28、件数では124件であった。アカデミック・ハラスメントがおこった場合、学内だけで解決すべきと思うと答えた大学は20、そう思わない15であった。また、防止のために学内ガイドラインを作ることが、必要であると思う70・必要でない4であった。 教員に対するアンケート調査(931人、回答率38%)で、研究出張がみとめられなかった85人(9%)、研究費の配分で不公平を感じた170人(18%)、研究能力が劣っているといわれた145人(16%)、不在中に私物や専有の物品が無断で移動されていた102人(11%)、講義や実習の担当をはずされた51人(5%)、講義や指導に関して上司や同僚からクレームをつけられた148人(15%)、貶めるような噂が流された130人(14%)、「辞めろ」と言われたり望まない人事に応募するように迫られた96人(10%)であった。研究論文に関しては、ファースト・オーサーをとられた65人(7%)、ファースト・オーサーを他の人にゆずるように強要されたことがある52人(6%)、論文の共著者をはずされてしまった78人(8%)であった。実験系の人に対する質問項目では、実験データの改ざんや捏造を強要された12人(2%)、実験結果をとられた44人(8%)、実験だけさせられ論文を書かせてもらえない状態19人(4%)、実験に使用している機器や備品を捨てられてしまった19人(4%)、上司から「実験が下手だ、のろい、遅すぎる、要領が悪い、怠け者だ」などと罵倒された36人(7%)、実験をすることを禁止された18人(4%)であった。
|