今年度は、目的1)夜勤交代勤務における管理的(勤務体制、職場内の人的配置、労働の身体的精的負荷)、制度的(両立支援制度、伝統的な性役割観をもつ組織風土)、職場組織的(職場内のサポートとネゴシエーション)労働環境のどういった組み合わせが仕事と家庭の両立をどのように規定しているのか、その結果従事者の身体的精神的健康にどのような影響を及ぼすのかを明らかにするために、昨年度の病棟看護師を対象とした研究1:面接調査、研究2:パイロット調査をもとに、夜勤交代勤務の代表的職種である病院に勤務する看護師を対象として本調査を実施した。 調査対象は、首都圏(栃木県、群馬県、茨城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県)にある公立病院、済生会病院、赤十字病院であった。調査方法は質問紙法で、労働組合の各県都本部を通じて対象病院に質問紙を配布し、各病院の労働組合において回収した。配布数は13000人、回収数は3540人であった。そのうち有効回答数は3416人であった(有効回答率26.2%)。調査内容は勤務体制、職場内の人的配置、労働の身体的精神的負荷、両立支援制度、伝統的な性役割観をもう組織風土、職場内の上司のサポート、職場内の上司へのネゴシエーション、仕事と家庭のスピルオーバー、家族的責任の負担、夫婦での家事・子育ての分担、子育て支援、精神的健康、身体的健康、睡眠生活時間、属性などであった。調査票の設計、配布、回収、データクリーニング、入力、集計などすべての調査活動は予定通り終了した。
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