研究課題/領域番号 |
14594030
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ジェンダー
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研究機関 | (財)世界人権問題研究センター |
研究代表者 |
福田 雅子 財団法人世界人権問題研究センター, 研究第4部, 部長 (40280680)
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研究分担者 |
有澤 知子 大阪学院大学, 法学部, 助教授 (60247864)
阿久澤 麻理子 姫路工業大学, 環境人間学部, 助教授 (20305692)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | 性別職務分離 / ジェンダー / 男性保育士 / 女性消防吏員 / 男女共同参画社会基本法 |
研究概要 |
"男女が、互いにその人権を尊重しつつ責任を分かち合い性別にかかわりなく、その個性と能力を発揮することができる社会"の実現をめざした「男女共同参画社会基本法」が成立(1999年6月15日)して5年を経た。この法律がめざした精神はどのように進展しているのだろうか。本研究は男女の職務分離の現状と課題を明らかにするために、男性保育士・女性消防吏員--それぞれの職域全体の1%に--焦点をあて、保育士・消防吏員の男女のジェンダー意識を中心に、さらに保育専門学校生には、男の子・女の子に期待する資質など、また保育所所長・園長(経営者を含む)には、男性保育士を採用するための設備や、給与上昇の必要性などを聞いた。 男性保育士の活躍は、増えている母子家庭の子どもにとっての父親役割を期待されたり、保育に必要な力仕事を受け持つことも多い。保育士の男女のジェンダー意識にはあまり差はないが、消防吏員の男性の性別役割分業意識は根強い。「女性消防隊員が必要」という問いについて、男性は「はい」36.1%、「いいえ」22.8%、「回答なし」40.8%であるのに対して、女性は「はい」72.9%、また「女性救急隊員が必要」については男性の40.9%に対し、女性は97.6%が賛成している。 今後の課題として、女性消防吏員は「消防学校で男性と同じ訓練を受けたのに、火災現場で活躍する機会がない」と訴えている。男性職である消防吏員の場合、これまで労基法上の制約が女性の職域を限定していた点もあるが、技術革新で危険有害業務の制限も緩和されつつあり、意識的な是正措置も必要であろう。 「保母」から「保育士」への名称の変更(1999年)、国家資格を持つ専門職(2003年)となった保育士の公立・私立の賃金格差の是正など、男女混合職への定着が、今後の課題である。
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