研究課題/領域番号 |
14595006
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研究機関 | 独立行政法人北海道開発土木研究所 |
研究代表者 |
中津川 誠 独立行政法人北海道開発土木研究所, 環境研究室, 室長 (10344425)
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研究分担者 |
石井 吉之 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (40222955)
橘 治国 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90002021)
渡邊 康玄 独立行政法人北海道開発土木研究所, 河川研究室, 室長 (00344424)
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キーワード | 積雪寒冷地 / 森林域 / 湿原域 / 融雪量 / 蒸発散量 / 流域土地利用 / 長期流出量 / LAI |
研究概要 |
平成14年度は、様々な地被条件にある流域において、その違いによる降水、蒸発散、流出の水文現象を定量化するため、必要となるデータ収集およびモデル開発をおこなった。とくに、積雪寒冷地において重要な積雪量や融雪量の変化について的確な再現ができるような手法を提案した。 一連の検討は、対象域を北海道の森林域(石狩川水系豊平川流域)、湿原域,(天塩川水系サロベツ川流域)とし、降積雪、融雪、蒸発散、地下水、河川流出の変化を含む長期水循環の実態をモデルによって再現することができた。前者においては降積雪の減少と融雪期における集中豪雨が懸念されており、積雪寒冷地に欠くべからざる水資源とともに災害をもたらす積雪・融雪の動向に関心がもたれ、後者においては近年顕著と言われる湿原の乾燥化へ対処していくため、水循環の実態評価、さらには温暖化の影響評価が必要とされているところである。本年度の研究成果としては、そのようななか、積雪寒冷地の水循環の実態評価が可能な手法が提案できた段階となる。このほか、水文要因や流域の変化がどのような水環境への影響として現れるかについても評価するため、水文・水質観測データに基づき、流域の土地利用等と水質の関係について整理した。 本研究で提案した手法においては、人工衛星情報を活用して推定された季節別・植生種別の植生パラメータ(LAI)を用い、樹林帯の熱収支を考慮することで、積雪・融雪量、蒸発散量を算出することができる。また、河川やダムの管理を目的とした現業データを全面的に活用し、特別な観測データがなくても一連の推定ができるようになっており、それによって過去の再現もできるように考えたことが特徴となっている。
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