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2003 年度 研究成果報告書概要

キツネノボタン(キンポウゲ科)の染色体多型が集団の遺伝的多様性に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 14596006
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 生物多様性・分類
研究機関大阪市立大学

研究代表者

岡田 博  大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40089892)

研究期間 (年度) 2002 – 2003
キーワードキンポウゲ科 / キツネノボタン / 染色体多型 / 多様性 / 集団 / 種分化 / 酵素多型 / 自家受粉
研究概要

キツネノボタンの松山型,小樽型のサイトタイプが混生している大阪府三島郡島本町において52個体をトランセクト法によって各生育場所を地図上に記録し、それぞれ染色体を観察してサイトタイプを決定した.各個体の9酵素系から得られた16遺伝子座の酵素多型分析を行った結果、遺伝子座Mdh-3はそれぞれのサイトタイプに固有の対立遺伝子を示すこと、サイトタイプ間の雑種個体は両サイトタイプに固有の対立遺伝子をそれぞれ異型接合体として1つずつもっていることが明らかになった.このことは両サイトタイプ間でまれに雑種第1代が形成されるものの、戻し交配を起こしていないこと、遺伝的交流がほとんど起こっていないことを強く示唆する.酵素多型、ISSR(inter-simple sequence repeat)多型をもとに52個体の遺伝距離を計算し、デンドログラムを書くと、両サイトタイプはそれぞれ明瞭に別のクラスターに含まれ、両サイトタイプ間で遺伝的に分化していることを示した.
近畿地方以西の95集団において、それぞれの染色体型を決定し、遺伝的変異を調べた結果、全ての遺伝的変異の58%は集団間変異に偏在していた.また、F値が有意に大きく、集団の異型接合体頻度が非常に低かった.そして各集団間の地理的距離と遺伝距離とが全く相関しなかった.各集団間の遺伝距離(D)は平均0.129と大きく、集団間の遺伝的分化が大きかった.これらは本種が主に自家受精を行っているためである.しかし、染色体型間の遺伝距離は非常に小さかった(D=0.008).これは核型変異によって各染色体型が出現してから、各染色体型内で遺伝的変異が蓄積され、特有の遺伝的組成を形成するのに十分な時間が経過していないためと考えられる.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Evidence of reduction of gene flow between two cytotypes of Ranunculus silerifolius Lev.(Ranunculaceae) revealed with allozyime and intersimple sequence repeat polymorphisms.2004

    • 著者名/発表者名
      Tesri Maidelisa, Hiroshi Okada
    • 雑誌名

      Plant Species Biology 19

      ページ: 23-31

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Evidence of reduction of gene flow between two cytotypes of Ranunculus silerifolius Lev.(Ranunculaceae) revealed with allozyme and intersimple sequence repeat polymorphisms.2004

    • 著者名/発表者名
      TESRI MAIDELIZA, HIROSHI OKADA
    • 雑誌名

      PLANT SPECIES BIOLOGY 19(1)

      ページ: 23-31

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 2006-07-11  

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