研究課題
基盤研究(C)
平成14年度は、介護保険サービスを提供する全国のNPO法人1254団体に郵送法によるアンケート調査を実施し、688団体(54.9%)から有効回答を得た。組織運営上の方針に関する質問で得られた回答について因子分析を行い、各団体の因子得点について、介護保険制度制定前から活動を行っていたNPO法人と介護保険後に活動を開始したNPO法人について比較したところ、新しく活動を開始したNPO法人ほど「採算性重視」の傾向が強い様子が明らかとなった。成果は論文として学術雑誌に発表した。平成15年度には、介護保険が組織運営に与えた影響を把握し、さらに得られた知見を一般化が可能な方法で検討するための調査枠組みを導出することを目的に、特別養護老人ホームを運営する施設長4人にインタビュー調査を実施した。その結果、現場ケアへの影響を把握する6つの視点と、それらの影響への組織的対応を把握するための5つの視点が把握され、さらに対応に影響する因子として、「施設長のバックグラウンド」があげられた。成果は、学術雑誌に論文として発表した。また、介護保険サービスを提供するNPO(社会福祉法人、医療法人、NPO法人)のアカウンタビリテイジレンマの背景について、公益性の視点と政策科学的視点の2点について理論的検討をすすめ、前者の成果は著書として発表した。後者の一部は福祉社会学会誌に論文として受稿されており、一部は"Devolution and Privatization Proceeded and the Centralized System Maintained : A Twisted Reality Faced by Japanese Nonprofit Organizations"としてアメリカNPO学会誌に投稿中である。
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福祉社会学会誌 2
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