研究概要 |
【目的】 アポトーシス関連遺伝子(カスパーゼ-3、-9、Apaf1)欠失ミュータントマウスおよび初代神経培養細胞の解析結果から、神経幹細胞を含む神経細胞の発達・分化の段階ではカスパーゼの活性化が必要であることを示唆している。本研究は、細胞死に関与するカスパーゼの新規の役割、特に神経発生・分化、さらに神経再生への関与を解明し、神経変性疾患の治療への応用を目的にしている。すなわち、期間内に神経細胞分化時に活性化されるカスパーゼを同定し、その基質を探索する。さらに、その神経分化・再生機構への関与を証明し、アポトーシスにおいて中心的な役割を果たしているカスパーゼの新規の機構(分子メカニズム)を解明する。 【研究実績】 1.カスパーゼ-3とカスパーゼ-7の基質の探索: 平成14年度に得られた知見から、大腸菌にて作成した活性化型カスパーゼ-3とカスパーゼ-7を作成した。カスパーゼ-3とカスパーゼ-7の基質をスモールプールcDNAライブラリーにて探索した。全約3,000遺伝子をin vitroにて転写・翻訳し、^<35>Sラベルした蛋白を作成し、活性化型カスパーゼと反応後、SDS-PAGEにて泳動し、オートラジオグラフィーを行った。3,000遺伝子からカスパーゼ-7の基質として18遺伝子をクローニングした。 2.カスパーゼ7の基質の同定: シークエンスを行い,次の結果を得た。18遺伝子の中で、5遺伝子が不明であった。また、10遺伝子は全長のcDNAが挿入されていた。4遺伝子はN末の欠失を認め、2遺伝子はコードされた部分を含んでいなかった。 基礎研究として以上の実績をもって15年度で終了した。
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