研究課題/領域番号 |
14604009
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
菊池 紀夫 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (80090041)
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研究分担者 |
三沢 正史 熊本大学, 理学部, 助教授 (40242672)
中野 実 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (00051607)
谷 温之 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90118969)
星野 慶介 千葉工業大学, 講師
小俣 正朗 金沢大学, 理学部, 助教授 (20214223)
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キーワード | discrete Morse flow / Morse (variational) flow / Kashiwagi algorithm / Rothe's approximation / local estimate / De Giorgi-Nash estimate / Campanato estimate / Gehring-Giaquinta-Modica higher intergability |
研究概要 |
研究代表者は多変数変分問題、特に調和写像・エネルギー型変分問題の一般臨界点解析を目指して研究企画を提案してきた。Morse最急勾配流を構成し、その時間無限大の極限として一般臨界点解析を行うべく「初期条件から始めて、逐次変分汎函数を導入し、その最小化函数を求めることにより、その極限としてMorse流を構成する」に思い至り、これを「離散Morse流法」として1983年に提案した。この離散Morse流の方法は「離散時間ごとで最小化性を活用出来る」点にその数理解析的特徴がある。「局所積分評価・各点評価」を実行するこの解析は所謂「大域的積分評価の有限要素解析」のそれよりは精密なものであり、離散Morse流法をMorse流の数理解析における基礎理論となすべくその整備を集中して行い離散MorseのCampanato評価などの正則性に関する基礎理論を得ることが出来た。ここで得られた数理解析を基にして非線形最適化の数値解析・実験に取り組み、小俣正朗は離散Morse流法による数値解析には収束性において変分汎関数の最小化性が顕著な働きを示すことを見出した。この間J.Jaeger(Heidelberg), J.Kacur(Bratislava)やフランスの数理解析・数値解析者達との研究討論を持つ機会に恵まれた。非線形最適化の数理解析・数値解析はその重要さにも関わらず、一般的に、統一的に研究が成されていないようである。一研究機関において各個問題に取組む研究体制のみならず国際間の連携の基に行われる研究環境成作りが大切であるとの認識が研究討論を共にした国内外の研究者の一致したものであった。エネルギー型変分問題研究では最小化写像に対して20世紀の数理解析を閉め括るような成果が得られているが、数理科学研究の代表的なものの一つであるエネルギーを扱うこの問題を研究の中心に据え、「離散Morse流法」の種々の変分問題への適用を試み、この試みを我が国から発信出来るものとしたい。当企画で得られた研究成果を生かし、国内外へ問いかける特定領域研究「非線形最適化の数理解析・数値実験」を提案出来るように努めたい。
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