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2002 年度 実績報告書

「感情伝染」の適応基盤に関する予備的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14651022
研究機関北海道大学

研究代表者

亀田 達也  北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20214554)

研究分担者 中島 晃  北海道大学, 大学院・文学研究科, 助手 (30312325)
キーワード感情伝染 / 共感 / 適応 / 進化 / 進化ゲーム / 感情戦略 / 実験 / モデル
研究概要

人間を含む動物が他個体の示す情動反応に半ば自動的に影響されることはよく知られている。心理学において、従来、こうした現象は、共感という言葉で大まかに捉えられてきた。しかし、近年の霊長類学の進展に伴い,従来「共感」という言葉で一括されてきた諸現象の概念的見直しが始まりつつある。本研究で注目したいのは、不安や怒りなどの基礎的な感情が個体間でほぼ自動的に転移する「原初的共感」と呼ばれる現象である。この現象は、いわゆる高次の共感とは異なり、霊長類以外の動物にも幅広く見られることが報告されている。言い換えると、こうした原初的共感とは、人間(あるいは高等霊長類の一部)に特有とされる「思いやり」や「役割取得」などの高次の共感の前哨を成すプロトタイプである可能性が高い。本研究は、こうした観点から、「原初的共感」、その中でもとくに「不安の伝染」と呼ばれる集合的現象の適応的・進化的な成立基盤を検討する。この目的に向けて、平成14年度は、15年度の実証的研究の前哨となる、理論モデルの開発を行った。具体的には、進化ゲームと呼ばれる数理解析手法を用いて、警戒行動および不安の処理に関するさまざまな「感情戦略」間の適応的な相互依存関係を理論的に定式化した。そしてこのモデルを、コンピュータ・シミュレーションとして実装した。さらに、理論モデルから導かれた命題を部分的に検証するために、LANを用いて接続されたネットワーク型心理学実験を実施した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Kameda, T., Takezawa, M., Hastie, R.: "The logic of social sharing : An evolutionary game analysis of adaptive norm development"Personality and Social Psychology Review. 7・1. 2-19 (2003)

  • [文献書誌] 中西大輔, 亀田達也, 品田瑞穂: "不確実性低減戦略としての社会的学習:適応論的アプローチ"心理学研究. (印刷中).

  • [文献書誌] 品田瑞穂, 亀田達也: "社会的ジレンマ状況における行動戦略の自生-心理学実験を用いた実証研究-"心理学研究. (印刷中).

  • [文献書誌] 稲垣佳世子, 鈴木宏昭, 亀田達也: "認知過程研究-知識の獲得とその利用"放送大学教育振興会. 197 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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