補助教員の派遣について、全国の市区町村で先駆的に行っているところで、聞き取り調査と資料収集を行った。そのうえで、アンケートを作成し、全国の市区町村教育委員会に発送した。その回答をデーター化し、整理した。 教育委員会を対象にした本調査によれば、補助教員の派遣は、教育委員会レベルでは、教育現場において概ね肯定的に受け取られた教育政策である、と見なされていた。実際に補助教員の実態は、地域や学校によって大きく異なるが、有益な役割をさまざまな活動のなかで演じているようであった。また、補助教員を派遣していない教育委員会も含めて、16年度以降においての派遣については、本調査によれば半数近く(44.9%)の教育委員会が予定していた。しかも、補助教員を派遣していない教育委員会においてすらも、予算的な裏づけさえあれば、4分の3(75.0%)に当たる教育委員会は、補助教員の派遣を「実施」あるいは「検討」したいと回答していた。そのような調査結果から言えば、補助教員の派遣は、臨時的な緊急雇用対策事業の一つとして終わらせるのではなく、正規な教育政策として位置づけられてよいものである、という結論が導き出された。 なお、外国調査に関しては、そこで得られた資料を整理しているところである。 また、この研究成果は、口頭発表として、第62回日本教育学会(2003年8月26日〜27日、於:早稲田大学)で公にされた。また、学術論文としては、『筑波大学教育学系論集』(第28巻、2004年3月、発行予定)で公にされる。
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