研究課題/領域番号 |
14651056
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
高橋 正訓 島根大学, 教育学部, 教授 (40108783)
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研究分担者 |
川路 澄人 島根大学, 教育学部, 助教授 (00273912)
猿田 量 島根大学, 教育学部, 助教授 (30108782)
新井 知生 島根大学, 教育学部, 教授 (50232020)
小谷 充 島根大学, 教育学部, 講師 (00283044)
石上 城行 島根大学, 教育学部, 講師 (80325034)
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キーワード | 社会教育 / 美術教育 / 社会実習 / 美術館 / ワークショップ |
研究概要 |
本年度の研究は,昨年度から継続している島根県立美術館における「造形美術社会実習」の内容を充実させる研究とともに,小谷、石上の両名による「越後妻有アートトリエンナーレ2003」への学生との協同参加に関する研究の2つを行った。 (1)「造形美術社会実習」の内容については県立美術館における企画展「斎藤義重展」の関連事業「うきうき絵画」の準備・運営として実施した。小学生〜中学生を対象とした人数・時間の制限を設けたW.Sの実施に関してその準備と試作品の制作等を含めた教材の検討,実際の指導場面でのノウハウ等を積み上げることができた。今年度は特に斎藤義重という作家を通じて、現代美術というものを体験的に理解するために、学生教育の面でも学芸員による現代美術についての講義を実施するとともに、W.S参加者に伝えるための指導者マニュアル作りに力点を置いた。 (2)本年度は美術館以外での美術を通しての社会教育実践として「越後妻有アートトリエンナーレ2003」に参加した。美術や造形活動の本質となるものが<人と人>との相互の関係性を基盤に成り立っているという認識のもと、学生が作品の制作、準備、運搬、展示、ワークショップ、地域やボランティアとの関わり等様々な場面を通して相互に教育されていくプロセスについて実践を通して検証した。教官と学生の共同作業として行われたこのプロジェクトは、成形したアクリルを「磨く」という単純で基本的な繰り返し作業の中から生まれた、硬直化した「芸術」概念に対するアンチテーゼであった。里親(磨き役)となった学生が、それを持ってトリエンナーレに参加し、展示、ワークショップや日々の生活の中で他者と関わることによって、<モノ>を介在した<コト>の生成に挑戦した。このプロジェクトには多くの学生が参加するとともに、トリエンナーレという「場」において自らが制作し、和「美術」を介した教育活動が実践できたことは大きな成果であった。
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