研究課題/領域番号 |
14651078
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研究機関 | 国文学研究資料館 |
研究代表者 |
相田 満 国文学研究資料館, 研究情報部, 助手 (00249921)
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研究分担者 |
安保 博史 群馬県立女子大学, 文学部, 助教授 (60271483)
山田 直子 国文学研究資料館, 整理閲覧部, 助手 (20151011)
入口 敦志 国文学研究資料館, 研究情報部, 助手 (80243872)
長崎 健 中央大学, 文学部, 教授 (20055164)
渡辺 信和 同朋学園, 仏教文化研究所, 研究室長 (40350996)
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キーワード | 標題 / 題名 / 目次 / 御伽草子 / 仮名草子 / 俳諧 / オントロジ / タイトル |
研究概要 |
研究初年度である今年度は7回の研究協議の場を持ち、研究の進め方についてのほか、それぞれの研究分野における「標題」の問題点・意義などについて各分担者および研究協力者による報告・協議を重ねた。また、その成果の一端については、本研究の中間報告書を兼ねた「標題文芸」という冊子にまとめ、全て書き下ろしによる論文で構成されている。 本研究では、具体的には作品標題と目次標題について典型例を抽出する作業を行い、それを各自の観点から考察することにより、研究成果としてまとめていく。作品標題については、近世仮名草子と戯曲、俳書、御伽草子など、それぞれの書名標題について考察が行われ、奇数字数尊重の傾向の統計的実態調査(入口)、俳書の標題に見る文芸ジャンルのステイタスの問題(安保)、書名の命名原理を分析するために御伽草子を素材とした網羅的分析(渡辺)が試みられ、それぞれ報告がまとめられた。 目次標題については、類聚編纂物における部類のための見出し(部類標題)の継承性についての考察を試み、近年情報学で注目を浴びているオントロジ(知識概念木)の資源としての可能性についてふれた(相田)。 本研究主題は和漢古典籍における「標題」を主要な素材とするが、その先行研究はない。しかし、「名前」「命名」などの原理をめぐっては、音楽や美術及び登録商標等について、古典時代から現代生活に至るまで、無視出来ない諸現象についての考察が断片的ながら存在することが、調査研究を進めるにつれて判明してきた。そこで、その一端についてもまとめて報告したが、(相田)「標題」というものの生成原理や価値について考察を進めていくためには、比較対象となるべきさまざまな脱領域的素材や研究の調査・分析も不可欠であることが明らかになってきた。今後、それらの課題の消化を試みることによっても研究の深化をはかっていく。
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