研究課題/領域番号 |
14651080
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
星野 勝利 岩手大学, 教育学部, 教授 (90003962)
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研究分担者 |
古川 努 岩手大学, 人文社会科学部, 助教授 (80322957)
開 龍美 岩手大学, 人文社会科学部, 助教授 (50181152)
齋藤 博次 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (90180801)
秋田 淳子 岩手大学, 人文社会科学部, 講師 (10251688)
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キーワード | エコクリティシズム / 環境文学 / 現代アメリカ文学 / 場所の感覚 / パストラリズム / ウィルダネス / 生態系管理 / ネイティヴ・アメリカン |
研究概要 |
現代アメリカ環境文学とエコクリティシズムおよび「場所の感覚」との関係について、共同研究者による計5回の発表報告会を実施し、全体の研究課題と相互の研究課題について理解を深めた。また、星野は、エコクリティシズムおよびアパラチアン・トレイル関係図書を収集し、トレイル形成の歴史とアメリカ文学およびアメリカの歴史との関係について考察し、論文にまとめた。齋藤は、アメリカにおける70年代以降のエコクリティシズムの流れを通時的に辿るとともに、それが19世紀のパストラリズム思想とどのような関係があるかを考察した。その一方で、20世紀アメリカの高度産業社会の中で現出する「非=自然」の状況について、カート・ヴォネガットの小説を素材にして考察した。開は、「場所の感覚」の意味について、第1に「生きる実在感を得て住まい、自分が何者であるかが証示される」風景の現象の観点から、第2にエコセントリズムの根本性格を規定している重層的なウィルダネスの概念の観点から考察を進めた。古川は生態系管理アプローチは、管理対象(たとえば、絶滅危惧種の保護、汚染の防止など)に応じて、空間(場所)の広がりを異にし、場合によっては、ある行政界を超えた生態系の自然的広がりを統合的に管理する必要も出てくることについて考察し、またこうした自然的広がりと人為的広がりの差違をもとにした生態系管理における「空間(場所)」の意味についても検討を進めた。秋田は、ネイティヴ・アメリカン関連資料を収集するとともに、平成15年2月12日から19日までの間、アメリカ合衆国ニューメキシコ州にあるサンイルデフォンソ、サンタクララ、アカマ、また、女性作家Leslie Marmon Silkoの故郷であるラグーナなどの複数のネイティヴ・アメリカンのプエブロを視察し、彼らが生活している「場所」に実際に立つことにより、彼ら独自の「土地」への感覚を直接体感することを試みた。(792字)
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