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2004 年度 実績報告書

談語における名詞句の定・不定と単複及び数量詞による限定と浮遊に関する意味論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14651096
研究機関神戸大学

研究代表者

山森 良枝 (松井 良枝)  神戸大学, 留学生センター, 助教授 (70252814)

キーワード数量詞 / 複数(性) / 数量詞浮遊 / 量化(領域) / 強限定詞 / 弱限定詞 / 内部複数 / 外部複数
研究概要

平成16年度は、<日本語の複数>表現の記述と仕組みの究明を目的に、アトムを基本単位とする意味対象領域を仮定し、質量性と複数性を連続的なものとみなす理論的立場から分析を試みた。その結果、以下が明らかになった。
(1)一般的に、名詞述語には、quantized述語とcumulative述語がある。前者は可算名詞に対応し、非等質的集合に属する非連続的部分を増加して得られる外部複数を形成する。一方、後者は質量名詞に対応し、等質的集合を内的に分割して得られる連続的部分の範囲を複数として捉える内部複数を形成する、とされる。
(2)しかし、日本語の普通名詞は質量性をその意味特徴とする。そのため、日本語ではquantized vs.cumulativeの対立ではなく、数量詞が結合する名詞の表す集合が等質集合か非等質集合かに応じて、前者の場合に外部複数、後者の場合に内部複数が形成される。
(3)内部複数を作る典型的な装置には、単一の単位を表す類別詞、計量句や(計量単位として使用される)容器名詞がある。他方、区分を表す名詞、組織の下位区分を表す名詞は外部複数の装置である。
(4)日本語では稀な数詞が直接普通名詞と結合される可算名詞構造は、当該名詞が予め規定され、前提された集合の最大範囲を表す場合にのみ使用される。
(5)本質的に可算的アトムとして認定される集合名詞を除けば、日本語では、名詞の表す集合のサイズが規定されている場合には、それを内的に分割した部分の範囲を表す可算名詞構造によって、また、集合が規定されていない場合には、類別詞などを介して、(どちらの場合にも)内部複数を形成し、(可算性を特徴とする英語などの普通名詞と同じ)、アトム・レベルでの複数化を実現している。
(6)以上から、日本語のような質量性を特徴とする名詞をもつ言語でも、計算のより容易なアトム・レベルでの計量が選好されていることが裏付けられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] <複数不可算不定名詞句+動名詞>について

    • 著者名/発表者名
      山森 良枝
    • 雑誌名

      神戸大学留学生センター紀要 11(印刷中)

      ページ: 17-34

  • [図書] On the Present Perfect ‘V-teiru' in Japanese, In Eschbach-Szabo, Wlodarczyk, Ebi, & Ikegami(eds.) Selected Papers on Semantic and Cognitive Japanese Linguistics.

    • 著者名/発表者名
      Yamamori Yoshie
    • 出版者
      Kuroshio Publishers(印刷中)(未定)
  • [図書] Judgement types and Information Structure in Japanese Floating Quantifier Constructions, In P.Slezak(Series Editor) Perspectives on Cognitive Science.

    • 著者名/発表者名
      Yamamori Yoshie
    • 出版者
      Elsevier(近刊)(未定)
  • [図書] 談話における名詞句の定・不定と単・複および数量詞による限定と浮遊に関する意味論的研究

    • 著者名/発表者名
      山森 良枝
    • 総ページ数
      234
    • 出版者
      (印刷中)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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