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2004 年度 実績報告書

知的財産の開発と利用の競争促進-バイオテクノロジーとソフトウェアを素材にして

研究課題

研究課題/領域番号 14652009
研究機関北海道大学

研究代表者

稗貫 俊文  北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (70113610)

キーワードリサーチツール特許 / 特許法69条 / 裁定実施権制度 / リーチスルーライセンス契約 / 音楽レコードの還流防止措置 / 独禁法21条 / バイオテクノロジー / 上流特許
研究概要

本年度は、次の4つの課題を検討した。
(1)リサーチツール特許-バイオテクノロジーの研究段階で使われるリサーチツール特許に焦点を当てて、特許法69条の試験・研究の例外や特許法82条・83条の裁定実施権制度を研究した。そして、競争政策の観点から、リサーチツール特許権のライセンス拒絶、高額ライセンスの問題を検討した。その成果は、金沢大学主催、特許庁後援の講演会「医薬品産業の競争実態と法的環境」(12月10日)で、講演した。
(2)リーチスルーライセンス契約-遺伝子関連発明やリサーチツール特許などいわゆる「上流特許」のライセンス形態として、リーチスルーライセンス契約の慣行を調べて、それを一概に規制すべきではなく、有益な効果を有することを明らかにした。その成果は、バイオテクノロジーに関する日本台湾の共同シンポジューム(2月22-23日)で発表した。
(3)音楽レコードの還流防止措置の検討-東南アジアでライセンス生産されている日本の音楽CDが日本市場に還流して、レコード価格を引き下げる原因になっている。それがレコード会社や著作者の経済的な利益を損なっており、還流を著作権侵害の「みなし侵害」とする法改正が行われた。この立法過程を調べ、著作隣接権(レコード製作者)が著作権者に利益を離れて独自の利益を追求するという懸念を指摘し、他方、公正取引委員会との一定の協議の下に行われたことを評価した。その成果は公正取引567号に掲載した。
(4)独禁法21条の意義を、第1ステージ(形式的な条件)、第二ステージ(実質的な条件)、第3ステージ(EF理論との対決)の3つの前提条件から明らかにする方法で検討を進め、これを「独占禁止法」(弘文堂、2003年)で「8章 知的財産権と独占禁止法」として公表した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] 知的財産権と独占禁止法2004

    • 著者名/発表者名
      稗貫 俊文
    • 雑誌名

      独占禁止法(金井貴嗣, 川濱昇, 泉水文雄(編))(弘文堂)

      ページ: 321-345

  • [雑誌論文] 知的財産権に関する競争政策の新しい動向について2004

    • 著者名/発表者名
      稗貫 俊文
    • 雑誌名

      公正取引 649号

      ページ: 2-12

  • [雑誌論文] 東亜智慧財産権之保路2004

    • 著者名/発表者名
      稗貫 俊文
    • 雑誌名

      上海大学法学評 法律文化問題研究(李瑜青 編)(上海大学出版)

      ページ: 211-222

  • [雑誌論文] 国際経済法研究的新段階--東亞自由貿易協定東亞経済的構造調整--2004

    • 著者名/発表者名
      稗貫 俊文
    • 雑誌名

      台湾国際法季刊 1巻3期

      ページ: 31-41

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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