研究概要 |
今年度は、以下の研究を進めた。 (1)昨年度、第9回International Conference of Statistics, Combinatorics and Related Areas(インド アラハバード大学)で発表した論文"Measuring Chronic and Transient Components of Poverty : A Bayesian Approach"を加筆修正し、海外の専門誌への投稿を行った。直ちに採用とはならなかったが、レフェリーからのコメントなどを参考にして再投稿のため修正中である。 (2)昨年度行った不平等度に関する調査結果を検討し、2002年に発表したわれわれの論文における結果と比較、またAmiel and Cowell(1999)の結果ならびにHarrison and Seidl(1994)の結果を比較した論文を研究紀要向けに執筆した。2004年4月に締め切りであるため、掲載は次年度になる。特に、アンケート調査で用いた数値例の性質について検討することで調査結果に定性的な傾向が見られるかどうかを検討するとともに、後者の比較においては、数値例に対する不平等感に調査対象間で質的な相違が存在するかを統計的検定の手法を用いて分析した。 (3)不平等度についての調査を行うための質問票の検討ならびに作成を行った。われわれが比較すべき研究として重視しているAmiel and Cowellによる質問票について詳しく検討した結果、比較検討するためには原則としてそれを利用することが望ましいが、正確な調査を行うためにはかなり修正する必要があるとの結論を得た。そして質問票の作成を行った。アンケート調査の実施は、来年度とする。 (4)equivalence scaleについての研究については、文献及びデータの収集を行った。来年度は、収集したデータに基づいて実証分析を行う予定である。
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