研究概要 |
平成14年度は、エレクトロニクス系多国籍企業22社(日本9社、米国7社、EU5社、韓国1社)が米国で発表した科学技術論文および米国認可特許の1980年,1985年,1990年,1995年,および2000年の5ヵ年分の検索を終了した。論文本数合計約1万4千本、特許件数合計約4万5千件におよぶ検索作業の結果、これら企業が発表した科学技術論文に共著者(Co-Author)として共同研究に参加した研究者の所属機関国籍、および米国特許の発明者所属機関国籍そしてその動向が判明した。 上記の検索結果から明らかとなった点は、(1)これら22社の研究開発の国際化は1社の例外もなく確実に進展してきたこと、しかも(2)単に国際化が進展してきたのみならず、関係した所属機関の国籍が多様化してきたこと、そして(3)共同研究の形態も2カ国間から多国間に渡る国際的ネットワーク型へと移行してきていることであった。これらの研究成果は3月初旬にResearch Technology Management誌に投稿し、Acceptanceの有無を待っている段階となっている。さらに、同じ内容で本年6月にカナダで開催されるAJBS学会で報告予定となっている。 現在、これらの研究開発の成果に関与した所属機関国籍をどのような手法を用いて文化圏ごとに分類し直すかを検討中である。例えば、IBM社の研究開発の国際化の程度を2000年発行の研究論文でみた場合には、著者の所属機関国籍はおよそ31カ国におよんでいる。これらの諸国を文化圏ごとに分類しなおした場合に、どのような文化圏が研究開発成果にどの程度の貢献をしているのかをクラスター分析を通して時系列的に明らかにしていく予定である。
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