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2004 年度 実績報告書

フィンスラー多様体への調和写像とハーツホーン予想の証明

研究課題

研究課題/領域番号 14654011
研究機関東北大学

研究代表者

西川 青季  東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60004488)

研究分担者 石田 正典  東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30124548)
立川 篤  東京理科大学, 理工学部, 教授 (50188257)
キーワード調和写像 / フィンスラー多様体 / ハーツホーン予想
研究概要

1970年にR.Hartshorneは「豊富な接束をもつ非特異既約射影多様体は射影空間に同型である」という予想を提出し,この予想は1979年に森重文氏により,代数幾何学的手法を用いて証明された.一方,1975年に小林昭七氏は「コンパクト複素多様体上の正則ベクトル束が豊富であることと,その双対束が負曲率をもつ擬凸な複素フィンスラー計量を許容することは同値である」ことを証明した.本研究の目標は,この小林氏の結果をもとに,コンパクト複素多様体に対するハーツホーン予想を,フィンスラー幾何学のカテゴリーで,微分幾何学的手法により証明することである.
この問題に関して,昨年度までの研究において,閉リーマン面から複素フィンスラー多様体への微分可能な写像に対して,閉リーマン面からリーマン多様体への写像に対するエネルギーの一般化となる自然なエネルギー汎関数の定義を与え,とくにリーマン球(種数0の閉リーマン面)から正曲率をもつ弱ケーラー複素フィンスラー多様体への,エネルギー最小な調和写像は正則あるいは反正則写像となることを証明した.
本年度の研究においては,更に
1.このエネルギー汎関数の臨界点としてえられる調和写像が一意接続性をもつこと,及び
2.複素フィンスラー計量を利用して,豊富な正則接束をもつコンパクト複素多様体の2次元ベッチ数が1である
ことを証明した.これらの結果により,双対接束が負曲率かつ擬凸な複素フィンスラー計量を許容するコンパクト複素多様体に対して,ハーツホーン予想の証明のキーポイントである,非自明な有理曲線の存在を証明する準備が整ったことになる.
現在研究は,リーマン球からコンパクト複素フィンスラー多様体へのエネルギー最小な調和写像の存在証明へと継続され,摂動されたエネルギー汎関数の最小列の収束を研究中である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Harmonic maps in complex Finsler geometry2004

    • 著者名/発表者名
      Seiki Nishikawa
    • 雑誌名

      Progress in Nonlinear Differential Equations and Their Applications 59

      ページ: 113-132

  • [雑誌論文] Foliated CR manifolds2004

    • 著者名/発表者名
      S.Dragomir, Seiki Nishikawa
    • 雑誌名

      Journal of the Mathematical Society of Japan 56・4

      ページ: 1031-1068

  • [雑誌論文] Interior estimates in Campanato spaces related to quadratic functionals2004

    • 著者名/発表者名
      M.A.Ragusa, Atsushi Tachikawa
    • 雑誌名

      数理解析研究所講究録 1405

      ページ: 54-65

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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