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2002 年度 実績報告書

無限次元の群における非コンパクト部分群のコンパクト性

研究課題

研究課題/領域番号 14654014
研究機関京都大学

研究代表者

小林 俊行  京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (80201490)

キーワード不連続群 / クリフォード・クライン形 / 擬リーマン多様体 / 等質空間 / リー群 / 固有不連続 / 離散群 / 対称空間
研究概要

20世紀においては、リーマン多様体における大域的な理論が大きく花開き、かなり出遅れてシンプレクティック幾何における大域理論が始まった。
一方、擬リーマン構造に対する大域的な理論はまだ殆ど生まれていない。その特別な場合として、擬リーマン等質空間をモデルとした多様体の大域的な理論は、当該研究者(1988〜)によって開始され、その後、米仏日などでさまざまな数学の分野との関わりが見出され始められている。そこにおいて特に重要な問題は、離散群の作用がいつ固有不連続に作用するかを深く解明することである。さらに広く、この問題を、「無限次元の群の中で、非コンパクト群がコンパクト的に振舞いうる現象として把握しよう」というのが当該研究の特徴的な視点であり、これはまた、ユニタリ表現における分岐則の問題とも微かに関連があるように思われる。今年度は、この視点をより明確にするために2つのプロジェクトを推し進めた。
(1)コンパクトなクリフォード・クライン形の存在問題の現状とその研究に使われる種々の分野の手法、非リーマン等質空間の不連続群に関して何がどの程度まで解き明かされたか、今後の挑戦課題にはどういうものがあるかなどを長篇の概説としてまとめ、『21世紀への挑戦』(共著図書)として著した。また、専門家向きの総説([1])を出版した。
(2)不定符号をもつ定曲率空問と球面の直積の共形コンパクト化の上で、無限次元表現を構成し、(共形変換群,等長変換群)という組に関するユニタリ表現の分岐則を考え、群が非コンパクトであるにもかかわらずスペクトラムが離散的になるというコンパクト的な現象を発見した。なおこの例は、解析的には、あるウルトラ双曲型の偏微分方程式の大域解全体からなる(無限次元の)空間に、(通常の)ラプラシアンを作用させて同時スペクトル展開を具体的に決定したと解釈できる。得られた結果を論文[2],[3],[4]で発表した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] T.Kobayashi: "Introduction to actions of discrete groups on pseudo-Riemannian homogeneous manifolds"Acta Appl.Math.. 73. 113-131 (2002)

  • [文献書誌] T.Kobayashi, B.Orsted: "Analysis on minimal representations of O(p, q), I, realization and conformal geometry"Advances in Mathematics. (in press). (2003)

  • [文献書誌] T.Kobayashi, B.Orsted: "Analysis on minimal representations of O(p, q), II, branching laws"Advances in Mathematics. (in press). (2003)

  • [文献書誌] T.Kobayashi, B.Orsted: "Analysis on minimal representations of O(p, q), III, ultra-hyperbolic equations on R^<p-1,q-1>"Advances in Mathematics. (in press). (2003)

  • [文献書誌] ファルティングス, グロモフ, 小林 俊行, コンツェビッチ他: "数学の最先端・21世紀への挑戦"シュプリンガー・フェアラーク東京. 193 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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