研究分担者 |
堀田 武彦 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助教授 (90222281)
合原 一幸 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (40167218)
柳川 堯 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (80029488)
松浦 真也 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助手 (70334258)
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研究概要 |
(1):計量ベクトル空間内の退化した一般の流れに対し,その時間発展を記述するKM_2O-ランジュヴァン方程式の特性量であるKM_2O-ランジュヴァン行列系を流れの2点共分散行列関数より計算するアルゴリズムを求めた.それは流れの定常性を特徴付ける揺動散逸定理(the fluctuation-dissipation theorem)を非定常な流れに対して求めた一般化した揺動散逸定理(the generalized fluctuation-dissipation theorem)に基づいている. (2):複雑系時系列にモデル解析を適用し,その時間発展が決定的と判定されたダイナミクスを与える非線形な関数から直接リアプーノフ指数を計算するアルゴリズムを求め,テント写像・ロジスティック写像の力学系の見本関数として与えられる時系列に対し適用し,カオス性の特徴の一つであるリアプノフ指数が正であることを確認した. (3):カオス的時系列の特徴である「秩序と混沌の共存状態」の定量的な表現として,テント写像・ロジスティック写像から導かれる離散時間の確率過程に対し,定常性を特徴付ける揺動散逸定理とは異なる新たな揺動散逸定理を証明した. (3.1)ロジスティック写像に関しては,2次元の離散時間の確率過程の共分散行列関数は移動平均過程(moving average process)と同じ構造を持っているが,KM_2O-偏相関行列関数は自己回帰過程(autoregressive process)のそれと同じ構造をもつことを示した. (3.2)テント写像に関しては,2次元の離散時間の確率過程の共分散行列関数は移動平均過程(moving average process)と異なる構造を持ち,KM_2O-偏相関行列関数を求めるアルゴリズムを見つけた.
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