研究概要 |
佐藤超函数-実解析函数の枠組みで考える.formal analytic symbolをシンボルにもつ擬微分作用素p(x,D)が余接バンドルの点(x^0,ξ^0)でanalytic microhypoellipticである,すなわち(x^0,ξ^0/|ξ^0|)の余球面バンドルにおける近傍Uが存在して,層準同型p(x, D):C|u→C|uが単射であると仮定する.ここでCはマイクロ函数の層を表す.そのとき,転置作用素^tp(x,D)に対して,(x^0,-ξ^0/|ξ^0|)の余球面バンドルにおける近傍υが存在して,p(x,D):C(υ)→C(υ)が全射になること(超局所可解性)を示した.ここでC(υ)はυ上のマイクロ函数の全体のつくる空間を表す. この結果を証明するために,"Classical Microlocal Analysis in the Space of Hyperfunctions,"Springer Lecture Notes in Math. vol.1737の第4章及び第5章において与えられている結果を修正して用い,局所凸空間の(埋め込みが)コンパクト(写像である)列の帰納極限を考え,閉グラフ定理を適用して,analytic microhypoellipticityから,(エネルギー)評価が得られることを示した.この評価(不等式)とHahn-Banachの定理より,p(x, D)の超局所可解性が従う.この結果は,J. Math. Sci. Univ. Tokyo10(2003)に掲載の予定である.ここで得られた結果より、微分作用素に対して,解析的準楕円性が転置作用素の佐藤超函数の空間における局所可解性を意味することを示すこともできる(Cordaro-Trepreauの結果).
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