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2003 年度 実績報告書

混合境界条件を伴う制限付き変分問題の新展開

研究課題

研究課題/領域番号 14654030
研究機関愛媛大学

研究代表者

坂口 茂  愛媛大学, 理学部, 教授 (50215620)

研究分担者 柴田 徹太郎  広島大学, 総合科学部, 助教授 (90216010)
橋本 貴宏  愛媛大学, 理学部, 助手 (60291499)
キーワード混合境界条件 / ガスの拡散 / 熱伝導 / 制限付き変分問題 / 第一固有値 / 定常問題 / 多孔質媒質
研究概要

まず研究経過として特記すべきことは、平成15年12月21日〜平成16年1月11日までの約3週間、研究代表者の坂口がイタリア・フィレンツェ大学へ出張し、海外共同研究者のR.Magnanini教授との共同研究を行ったことである。次に今年度の研究実績と今後の課題について述べよう。N次元ユークリッド空間の有界領域Ωに穴D⊂Ωを空ける。Ωの境界∂Ω上では斉次ノイマン境界条件を課し、穴の境界∂D上では斉次ディリクレ境界条件を課する混合境界条件を考える。つまり、境界∂Ωは断熱されていて、穴の境界∂Dからは熱が逃げていく状況での領域Ω-Dでの熱伝導を考える。時刻無限大での熱伝導の挙動は対応する定常問題の第一固有値に左右される。制限として次の2つの場合を考える。(i)穴Dの体積を一定にする。(ii)Dの形状を固定し、Dはその位置だけの自由度をもつ。それぞれの場合において、第一固有値を最小または最大にする制限付き変分問題を考える。第一固有値を最小にすることは熱を一番逃げないようにすることを意味し、第一固有値を最大にすることは熱が一番逃げるようにすることを意味する。上記制限付き変分問題の第一固有値を最小にする穴の存在は示すことができる。しかし、第一固有値を最小にする穴の性質についてはほとんどわかっていない。MATLABを用いたN=2の場合の数値計算からは最小にする穴は境界∂Ωと接触することが予想される。また、制限(ii)の場合、例えばDを円板とするとき、第一固有値を最大にする穴は境界から離れることも予想される。これらは全て今後の課題である。熱伝導を多孔質媒質中のガスの拡散に置き換えた同様な制限付き変分問題についても解の穴の存在は示すことができるが、解の穴の性質を調べることは今後の課題である。

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公開日: 2005-04-17   更新日: 2016-04-21  

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