研究概要 |
1 パンルヴェP_V方程式のauto-Backlund変換に付随する離散変換を考察した。2つのパラメータを持つ離散パンルヴェ方程式は、P_Vの隣接関係式として得られることを示した。特に、離散P_IIIとして知られている、非対称d-P_II方程式が得られることがわかった。ternary P_IとP_Vの関係も明らかにし、新しい離散パンルヴェ方程式の導出も行った。 2 E_8^<(1)>型のワイル群の対称性を持つ離散パンルヴェ方程式のリカッチ型の特殊解を求めた。また、その超極限について考察した。 3 超離散化を行うために、双線型方程式(特にKP階層)からのreductionを考察した。一般にsimilarity reductionと呼ばれる操作により、偏微分方程式から常微分方程式へのreductionが行われるが、KP階層からP_<IV>を得る場合にはこのreductionは自己相似変換不変性と周期条件であることが示されている。(Willox, Yamada-Noumi)したがって、τ関数のうち自己相似性を持つものがパンルヴェ方程式の解となる。そこで、自己相似変換は共形変換の特殊なものであることに注目し、スペクトルパラメータの空間における共形変換に対して不変なτ関数の構造について調べ、特に、共形変換普遍性が一般化されたreduction条件に対応することを考察した。また、双線型方程式を有限体上で考察することにより、新しいタイプの超離散かが可能であるかどうか検討した。
|