研究課題/領域番号 |
14654036
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
亀高 惟倫 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (00047218)
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研究分担者 |
永井 敦 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (90304039)
小川 知之 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (80211811)
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キーワード | グリーン関数 / ポアッソン関数 / ミッターク・レフラー関数 / 非整数階微分 / 4階微分方程式 / 重調和作用素 / 棒のたわみ問題 |
研究概要 |
本年度は数理工学や基礎工学に登場する4階および非整数階微分方程式に着目してその解やグリーン関数を導出するとともにその詳細な性質を究明した。得られた主要な結果は以下の通りである。 1.重調和作用素の円板内部自己共役境界値問題を設定し、そのグリーン関数およびポアッソン関数の積分表示を求めた。これはチェビシェフ多項式の母関数を用いて書き表すことができ、積分表示を利用することによって解の境界挙動が厳密にわかる。 2.前年度に引き続き4階常微分方程式で記述される棒のたわみ問題の境界値問題を研究した。特に第3種境界条件を伴う境界値問題のうち、物理的に意味のあるものに着目してそのグリーン関数と境界条件を満たす基本解を導出、さらにその正値性を示した。 3.非整数階微分を伴うチェン方程式やトルヴィクバグレイ方程式に着目して、ピューズー展開法によって、解を求めた。解はミッタークレフラー関数を用いて書き表すことができ、その漸近挙動も正確に解明した。またピューズ展開法を利用して、解の満足する非整数階微分を含まない常微分方程式の導出に成功した。常微分方程式の導出により、それまで困難であった非整数階微分方程式の数値スキームの1手法を確立した。 4.非整数階微分の差分化を行った。差分化は差分間隔一定のもののみならず、差分間隔が公比qの等比級数を成すq差分化に成功。その固有関数について調べた。
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