研究課題/領域番号 |
14654076
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大槻 憲四郎 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70004497)
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研究分担者 |
河村 雄行 東京工業大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00126038)
栗原 和枝 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (50252250)
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キーワード | 超薄膜水 / 分子動力学 / 超薄膜溶液ずり共振測定装置 / 分子密度 / 自己拡散係数 / 分子配向度 / 再配向時間 / 構造化 |
研究概要 |
平成15年度における分子動力学(MD)シミュレーションによる研究は、昨年のbrucite表面間に挟んだ超薄膜水に加え、talc、haliteおよびmuscovite表面間の超薄膜水に関して実施した。まずMorse typeの原子間ポテンシャル関数を採用したMD数値実験によって、これらの鉱物の正しい分子モデルを作成した後、鉱物と水との相互作用を第一原理に基づいた原子間ポテンシャル関数を採用して数値実験を行った。そして、独自に開発した分析手法によって、水薄膜内分子集団の密度、分子配向、自己拡散係数、および再配向時間を膜に平行にスライスしたサブレーヤーについて求めた。その結果、halite表面のNa・Clとクーロン力で強く結合している水分子は、表面近傍の約0.25nmで高分子密度・低自己拡散係数・長再配向時間、brucite表面のOH基と水素結合する水分子は、高分子密度・高自己拡散係数・短再配向時間、そしてtalc表面の酸素とファンデルワールス結合している水分子は、バルク水とほぼ同じ分子密度・高自己拡散係数・短再配向時間で特徴づけられることが判明した。 さらに平成15年度には、共振測定装置(SRA)など最先端ナノテクノロジーを駆使した実験も実施した。Micaに挟んだNaCl水溶液の超薄膜をSRAで分析した結果、膜厚1.8-0.6nmでは共振のダンピング係数が徐々に増加し、0.6-0.3nmでは共振周波数が増加した。このことから、構造化された吸着水の厚さは約0.3nmであることが判明した。 以上のMDとSRAによる分子レベルでの研究結果から、超薄膜水(水溶液)は従来一部で主張されていたような「氷」のように強く構造化されたものではなく、高いfluidityを保持した流体であると結論づけられた。これらの研究結果はいずれも世界で始めての知見であり、公表準備中である。なお、これらの研究結果は、超薄膜水の輸送、地震波減衰、誘電率など、地球科学への幅広い応用を気体できる
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