研究課題/領域番号 |
14654079
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研究機関 | 特殊法人日本原子力研究所 |
研究代表者 |
内海 渉 特殊法人日本原子力研究所, 放射光科学研究センター・極限環境物性研究グループ, 副主任研究員 (60193918)
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研究分担者 |
岡田 卓 特殊法人日本原子力研究所, 放射光科学研究センター・極限環境物性研究グループ, 博士研究員 (90343938)
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キーワード | 高温 / 高圧 / 焼結ダイヤモンド / 放射光 / X線回折 |
研究概要 |
ダイヤモンドアンビルセルよりも大きな試料体積を確保しながら、マルチアンビルプレスでは実現できない高い圧力を発生させることを目的として、6-2システムによる新しい高温高圧発生装置の開発を行った。線引きダイス用として市販されている燒結ダイヤモンドをブリッジマンアンビル形状に加工して、1対の対向アンビルとしたものを、立方体圧力媒体に組み込み、六方押しマルチアンビル装置で加圧した。第1段アンビル(六方アンビル)によって、立方体圧力媒体が加圧されると、それにともなって、燒結ダイヤモンドの第2段アンビルが中央に向かって進行し、アンビル先端部の試料に超高圧を発生させることに成功した。高圧試料室内におかれた白金のX線回折プロファイルを、大型放射光施設SPring-8の原研ビームラインからの白色放射光を用いて、その場X線観察することにより、発生圧力値を測定した。アンビル先端径サイズ・テーパー角度、立方体圧媒体や底部バックアップパーツの大きさ・材質などを種々変えて圧力発生実験を行い、これらのパラメータの景適化を行った。その結果、アンビル先端径0.7mmのセルで、85GPaを越える高圧発生が達成された。回収アンビルに破損が見られなかったことから、より高い圧力発生も可能であると期待される。 さらに高圧と同時に高温を発生させるための技術開発もすすめた。円筒形の黒鉛ヒーターを焼結ダイヤモンドアンビルの外側に組み込むことによって、高圧下での安定した高温発生が可能になった。50GPa下で800℃までの温度発生が、大きな圧力降下なしに達成された。 これらの結果について、アジア高圧力会議、日本高圧討論会、米国物理学会などで発表した。
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