研究概要 |
(1)静岡県安倍川流域の約15箇所の観測井において、気候変動復元のための地下水鉛直分布測定を行った。地下水温の測定は,申請備品温度計を観測井内に1m深度毎に降下させ,温度を次々と読み取ることにより行った。また、地下水温データを用いた気候変動復元のための逆解析に必要な地層パラメータ(熱伝導率など)の推定をおこなった。 (2)前年度設置した地温記録計のデータを回収し、気温データ〔日データ〕を観測開始時期にさかのぼって収集した。過去の地表面温度データ(1931年〜1970年)およびデータ回収した実測地表面温度と、収集した気温データを比較し,気温と地表面温度の差とその長期変動について統計処理を行った。 (3)深層温度データと浅層地下水温データを組み合わせて気候変動復元の逆解析を行うために、深層温度と浅層温度の測定場所の対応付け・温度勾配の決定等を行った。また地下水流動の影響のない30箇所の地下水鉛直分布を用いて、過去500年間の気候変動復元を逆解析により行った。 (4)得られた結果をIUGG2003のセッション等で報告し、地下温度を用いた気候変動復元における気温と地表面温度の違い,深層温度データの活用による気候変動復元精度向上等について議論した。
|